第7章 土のせん断强さ - Media Network Center Utsunomiya

第7章 土のせん断強さ
１．「せん断強さ」の概念 p.113
土に力（荷重）が作用し、大きな変形をすると土は破壊する。

土の内部のある面に沿うすべりが生じようとするせん断応力が働く。

同時に滑りに抵抗しようとする応力（せん断抵抗）が発生する。

通常、せん断応力とせん断抵抗が釣合っており、せん断応力が増大するとそれに応
じてせん断抵抗も増大する。

しかし、この増大には限度がある。

せん断抵抗の大きさの限界を「せん断強さ」という。

せん断応力がせん断強さに達すると、土は破壊する。

せん断強さは粘着力と摩擦抵抗力（内部摩擦角）で表示できる。

ク－ロンの破壊基準
ク－ロン・モ－ルの破壊基準
全応力表示と有効応力表示
２．面上の応力について
面上には、垂直応力σとせん断応力τが対となって存在する。

τ＝０となる面を主応力面といい、その面に作用する垂直応力を主応力という。

主応力面は互いに直交する。

土質力学では、σは圧縮を正、τは要素を反時計回転させる方向を正とする。

３．モールの応力円 pp.114-115
直交する面に作用する応力と任意面上の応力との関係を表す。

ｘ面（ｘ軸に直交する面）に応力(σｘ、τｘｙ)、ｙ面に応力(σｙ、τy ｘ)が作用し、
ｘ面から角度α（反時計回りを正）をなす面（α面）の応力を(σ、τ)とする。

力（応力ではない）の釣合いから
σ方向； 1･σ＝cos α(σｘcos α－τxy sin α)＋sin α(σy sin α－τxy cos α) τ方向； 1･τ＝cos α(σx sin α＋τxy cos α)－sin α(σy cos α＋τxy sin α) この２式に倍角・半角公式を適用すると、
ατασσσσσ2sin 2cos 22xy y x y x −−++=
ατασστ2cos 2sin 2xy y
x +−=
さらに、上記は円を表す次式となる・・モール円という。

2222)2()2(xy y
x y
x τσστσσσ+−=++− 中心（2y x σσ+，０）、半径22)2(xy y
x τσσ+−
主応力面とｘ面とのなす角θは、τ＝０より
)2
)((tan 2)((tan 211y x xy y x xy σστσστθ−−=−−=−− 以上を図示する。

結論として「応力が既知の面からαだけ傾いた面の応力(σ、τ)は、モール円上
の応力既知の面を表す応力点Ｘから、反時計回りに２αだけ回転した円周上の点Ａで表される」
主応力σ1、σ３は
2314)(2
12,xy y x y
x τσσσσσσ+−±+=
４．モール円の極（ポール、pole ） p.115
応力(σ，τ)が既知なモールの応力円上の点から、その応力が作用している面に平
行に引いた線が、モールの応力円と交わる点を極という。

極はただ一つだけ存在する。

ある面の応力を表すモール円上の応力点は、極からその面に引いた線がモール円と
交わる点である。

・例題。