在中の日系企业における人的资源管理

近年、多くの研究者が中国における日系企業の人的資源管理について研究を行っている。例えば、白木(2005)は中国における日系企業の人的資源管理について、現地日系企業の製造業と非製造業のどちらにも共通する採用上の問題点として管理職と一般従業員に優秀な人材が応募してこないということを明らかにした。その理由としては中国人従業員が日系企業と日本人派遣社員に対してイメージがあまり良くない点があげられる。今田・園田（1995)は中国人従業員が日系企業と日本人派遣社員に対する評価が低いことを指摘している。また張(2007)は日系企業の離職率が高く、欧米系企業と比べて2倍以上にもなる、離職率が高いの理由は中国人の強いキャリア志向、中国人には通用しない曖昧な評価制度などがあげられている。
ヒト資源がもつ第二の特徴としては、モノ・カネ・情報とは異なり、ヒトは生身の人間であるため、喜怒哀楽の感情をもち、また高度な思考をする主体であるという点を挙げることができる。このため、企業組織のなかにおいても、上位管理者からただ単に拘束されるだけではヒトは不愉快に感じることになる。組織人としてのある程度の拘束は仕方がないことであるが、その拘束のもとでも、多少は自由で自律的な行動を求める存在であるという点が他資源にはないヒト資源の大きな特徴であるといえよう。企業の経営者としては、このように行動の自由や自律性を求めるヒトを、自企業にとって有効に作用させるために組織に統合し、調整しなくてはならないことになる。このように、管理する対象が生身の人間で、自由を欲する存在であるという点で、人的資源管理はモノを扱う生産管理、カネを扱う財務管理、情報を扱う情報管理といった企業の他の管理諸活動とは根本的に違った意味合いを有しているといえる。まさにこの点こそが「人的資源管理」にしかありえない特有のおもしろさであり、同時に難しさでもあると考えられよう。
因みに、人的資源管理という用語は、ヒト＝企業にとってのコスト要因としてとらえるのではなく、ヒトの持ち合わせている諸能力をプラス思考でポジティブにとらえ、それを積極的に経営戦略に活用していこうとするマネジメントスタイルを含意している。まさに、「ヒト」をいかにうまく処遇し、そのヒトが持ち合わせている最大限の能力をいかに発揮させるかが、企業の業績を左右するキーファクターであると考えられるようになってきた、とも言い換えることができよう。
1.2
人的資源管理の定義とは、継続的事業体（going concern、Betrieb（ドイツ語））において、人を対象とした管理の仕組みを総称した概念である。市場において営利を目的として事業を営む企業の経営においては、この人的資源管理がいち早く発達し、経営学の中でも多くの知識が蓄積されてきた。組織を預かるマネージャーとして、戦略の実行を成功させるポイントは、日々の活動において、組織構成員を組織の掲げる目標へ向かって動かせるかどうかにかかっている。これを達成するために、大きく2つのアプローチがある。その1つが、組織構造や採用、評価、報酬、配置と異動、昇進、退職・解雇能力開発などからなる人事制度を通じて、組織構成員に影響を与える「人的資源管理」である。ちなみにもう1つは、「組織行動学」と呼ばれる分野で、マネージャー自身の取り組みとして組織構成員に働きかけ、動機づけを高めることにより行動を促すというやり方である。
キーワード:人的資源管理（HRM）日系企業 人的資源管理システム 中国企業
摘
21世纪的全球一体化时代，可以毫不夸张的说企业之间竞争优势的源泉是人才。随着迅速的技术革新，全球一体化企业之间竞争的激烈，中国经济也实现了飞跃发展。到现在为止，随着中国经济的发展，也加深了中日经济的交流。这就是，日本企业进一步加大打入中国市场的情况。在这样的经济环境下，在中国的日系企业的活跃比以前更加引人注目。其中，在华日系企业HRM的最大的课题是，调集当地的优秀人才，让他们所具有的能力充分发挥出来。决定成败的主要原因是在华日系企业采用什么样的人力资源管理制度，如何录用优秀的人才，能否使之扎根为目的。而且根据日系企业的人力资源管理对中国本土企业的影响和启发，从包含HRM的问题点尝试若干的讨论。
1.
人的資源管理という言葉は、1970年代後半より、人事管理あるいは労務管理に代わってアメリカで用い始められた。この流れの背景には2つの理由がある。第1は、従業員についての理解の変化がある。従来の人事管理においては従業員は単なる労働力として把握され、労働力としての従業員の最有効利用を目的としていた。しかし、人的資源管理においては、人間行動を経済的要因のみならず、社会的・心理的要因をも含めた多用な側面より理解し、その目的は、従業員の潜在的な能力を顕在化させ、かつ開発することである。第2は、人事管理が労働力の最有効利用と経営秩序の維持を目的としているのに対して、人的資源管理においては、経営戦略と従業員の能力開発とを積極的に結びつけることを目的としていることである。
XXXXXXX大学
日语本科学位论文
( 201届)
论文题目在中の日系企業における人的資源管理
（日语）
论文题目在华日系企业的人力资源管理
（中文）
继教（公开）学院英语
目 次
要 旨
21世紀のグローバル化時代において、企業間の競争優位の源泉は人材にあるといっても過言ではない。急速な技術革新、グローバルな企業間競争の激化につれて、中国経済も飛躍的な発展を遂げている。中国の経済の発展に伴い、これまで以上に日中経済の交流は深まるであろう。それは、日本企業が一層中国へ進出するケースが増大するということでもある。そうした経済環境の中で中国における日系企業の活躍は以前にまして注目を集めている。その中で、在中日系企業のHRMの最大的な課題は、現地の優秀な人材を調達し、彼らが持っている能力を十分に発揮させることにある。その成否を決める要因は、在中日系企業がどのような人的資源管理制度を採用し、優秀な人材を採用、定着させることができるのかを目的とする。しかも日系企業の人的資源管理により中国本土企業への影響と啓発は、HRMが包含すると思われる問題点についても若干の検討を試みることにする。
1.
日本においては、従来の「労務管理」という名称は「人事管理」とほぼ同義で使用されることもあったが、敢えてその両者を区別する場合には、工場を中心としたブルーカラー労働者を対象とした企業の管理活動を狭い意味での「労務管理」と呼んだ。ホワイトカラーを対象とした管理は「人事管理」と呼ばれていたので、ブルーカラーとホワイトカラー双方を対象とした管理は、その2 つを合体させて「人事労務管理」と呼ばれてきたという経緯がある。人的資源管理（HRM）という用語はすでに1950 年代に生まれた。1950年代、Yoder、D.（1956）のPMの標準的テキストに既に見出すことができる。HRMという用語を精緻化し、伝統的管理モデル、人間関係モデル、人的資源モデルの3 つの重要な視点の変化に注目したのは Miles R. E.（1965）である。Miles（1965）は人間尊重の行動科学の影響をうけ、意識的にHuman RelationsとHRMとを区別した。1970年代にはこの用語が徐々に浸透した。こうした状況の折に、アメリカにおいてとりわけ経営資源としてのヒトの重要性を強調してHumanResourceManagement（HRM）という用語が使用されたのを契機に、1980 年代以降、それがヨーロッパや日本にも伝わっていった。この英語が「人的資源管理」という日本語に翻訳されて使われるようになったのである。学界のみならず、企業においても、最近では「人事部」という旧来の名称に代え、「ヒューマン・リソース部」や「HR部」、あるいは「人材部」「人材開発部」「人財部」等々、実に多様な呼称が見られるようになってきたが、このような実務界の動向は、企業の自社で働くヒト資源への捉え方が変化しつつあることの反映である。
したがって、第三に、人的資源管理には、他の諸資源のマネジメントとは異なり、真に革新的でこれが決定版と呼びうるような管理手法が生み出されることはまずありえないということである。他の管理論の領域では、多くの「ニューパラダイム」がほぼ数年おきに出現しているが、こと人的資源管理に限っては、そのように立て続けに新しいマネジメント・パラダイムが確立され移ろってゆくというような事態はまず起こりえない。なぜなら、生身の人間を管理するにあたって、感情や主体性をもった人間を組織に統合し調整するという上記の基本問題の構造は、いくら時代を経てもそう簡単に変わるものではないからである。
1
1950年代に的人事管理論との2つの系統の理論として、一定の確立をみることができる。その後、1960年代になるとアメリ力における人事管理研究は、人間関係論（Human Relations)を起源として登場した行動科学研究の諸成果を広範に取り入れながら、新たな人事管理論として展開することになる。
人的資源管理の対象であるヒト資源は、他の経営諸資源と比べてどのような特徴を有しているのであろうか。
ヒト資源のもつ第一の特徴は、経営資源を構成する4要素の中でも、最も基本的かつ重要な構成要素であるという点である。他の3要素（モノ・カネ・情報）は、ヒトによって動かされることで初めてその本来の役割を果たすことができるに過ぎない。いかに高度な情報技術を駆使した最新鋭の工場設備であっても、実際にその設備を利用するヒトがいなければ無意味である。また、どんな大金も、それを実際に使うヒトがいなければ単なる紙くずに過ぎない。この意味において、ヒトは企業の経営活動を考える上で最も根源的な重要性を有しているといえる。
このように中国における日系企業の人的資源管理に関して発生している問題と原因の研究がなされてきた。しかしながらその様々な原因を生み出す理由と解決方法は明らかにされてこなかったと考えている。人的資源管理制度と言えば人の採用制度、育成方法、定着策略など含めている。そこで本研究はまずHRMの生成背景を考察し、理論的基礎を明らかにし、その特質を整理する。また、HRMの定着に導く要因を分析する。さらに、それを踏まえたうえで、中国における日系企業がどのような人的資源管理制度を採用し、優秀な人材を採用、定着させることができるのか、考察していくことを目的とする。またHRMが包含すると思われる問題点についても若干の検討を試みることにする。