百人一首(汉字标假名)
小仓百人一首

小倉百人一首001 秋田(あきのた)の假廬(かりほ)の庵(いほ)の苫(とま)を荒(あら)み我(わ)が衣手(ころもて)は露(つゆ)に濡(ぬ)れつつ秋日田圃間心穗假廬粗庵內苫蓆陋且荒吾人衣袖霑夜露濡濕不乾龍田秋天智天皇002 春過(はるす)ぎて夏來(なつき)にけらし白妙(しろたへ)の衣乾(ころもほ)すて(云)ふ天香具山(あまのかぐやま)佐保春已過今觀夏概既來兮白妙素織服晾曬乾衣披山間典雅天之香具山持統天皇003 足引(あしびき)の山鳥(やまどり)の尾(を)の垂尾(しだりのを) 長長(ながなが)し夜(よ)を獨(ひとり)かも寢(ね)む足引山險峻雉子山鳥尾醒目垂尾長綿延漫漫長夜映尾長孤眠獨寢恨夜長柿本人麻呂(柿本人麿)004 田子浦(たごのうら)に打出(うちいで)て見(み)れば白妙(しろたへ)の富士(ふじのたかね)に雪(ゆき)は降(ふ)りつつ駿河田子浦至此出步覽觀者白妙浩皚皚不死富士高嶺上白雪零落降紛紛山部赤人(山邊赤人)005 奧山(おくやま)に紅葉踏分(もみぢふみわ)け鳴鹿(なくしか)の聲聞(こゑき)く時(とき)ぞ秋(あき)は悲(かな)しき寂寥深山中腳踏紅葉獨步行不知自何方鳴鹿哀啼聲可聞秋日懷悲沁身心猿丸大夫006 鵲(かささぎ)の渡(わた)せる橋(はし)に置霜(おくしも)の白(しろ)きを見(み)れば夜(よ)ぞ更(ふ)けにける七夕喜相逢烏鵲成橋渡銀漢宮苑霜已降夜更鵲啼霜滿天鵲橋皓白映夜深中納言家持(大伴家持)007 天原(あまのはら) 振離(ふりさ)け見(み)れば春日(かすが)なる三笠山(みかさのやま)に出(いで)し月(つき)かも久方高天原翹首遙望思東天於此所眺月可與奈良春日間三笠山出皎月同安倍仲麿(安倍仲麻呂)008 我庵(わがいほ)は都(みやこ)の辰巳(たつみ) 然(しか)ぞ棲(す)む世(よ)を宇治山(うぢやま)と人(ひと)は云也(いふなり)入道屏山庵吾居位京辰巳方誠然棲此地宇治山悠閒自得豈信人稱其憂山喜撰法師009 花色(はなのいろ)は移(うつ)りにけりな徒(いたづら)に我身世(わがみよ)に經(ふ)る長雨(ながめ)せし間(ま)に花色雖多彩時節遞嬗本無常徒有空悲感此身形貌隨年老虛眺長雨摧花落小野小町010 是(これ)や此(こ)の行(ゆ)くも歸(かへ)るも別(わかれ)ては知(し)るも知(し)らぬも逢坂關(あふさかのせき)是耶此地矣往返絡繹常不絕別離踐遠行無論相識不相識俱在相會逢坂關蟬丸011 海原(わたのはら) 八十島驅(やそしまか)けて漕出(こぎい)でぬと人(ひと)には告(つ)げよ海人(あま)の釣舟(つりふね)綿津大海原航往八十千千島漕楫出滄海還請海人釣舟上白水郎兒告家人參議篁小野篁012 天風(あまつかぜ) 雲(くも)の通路(かよひぢ) 吹閉(ふきと)ぢよ乙女(をとめ)の姿(すがた) 暫留(しばしとど)めむ蒼窮天風矣願阻天界凡世間相通天雲路吹閉雲路滯天女暫留妍姿在人世僧正遍昭良岑宗貞013 筑波嶺(つくばね)の峰(みね)より落(お)つる男女川(みなのかは) 戀(こひ)ぞ積(つもり)て淵(ふち)と成(な)りぬる常陸筑波嶺流自嶺上綿延落涓涓男女川日積月累納情戀匯作深潭永彌堅陽成院陽成天皇014 陸奧(みちのく)の信夫捩摺(しのぶもぢずり) 誰故(たれゆゑ)に亂初(みだれそ)めにし我(われ)なら無(な)くに陸奧信夫郡忍草捩摺因誰故紋染凌不整吾心初亂如紊麻究竟當為誰之過河原左大臣源融015 君(きみ)が為(ため) 春野(はるのの)に出(い)でて若菜摘(わかなつ)む我衣手(わがころもで)に雪(ゆき)は降(ふ)りつつ一心全為君罷身春野田原間俯拾摘若菜早春若菜生雪間袖上細雪紛紛降光孝天皇仁和帝016 立別(たちわか)れ因幡山(いなばのやま)の峯(みね)に生(お)ふる松(まつ)とし聞(き)かば今歸來(いまかへりこ)む送君別千里今立因幡稻羽山如其峰上松若知吾人苦待君還冀今朝歸來兮中納言行平在原行平017 千早振(ちはやぶ)る神世(かみよ)も聞(き)かず龍田川(たつたがは) 韓紅(からくれなゐ)に水絞(みづくく)るとは縱在千早振稜威神代未有聞秋日龍田河紅葉織水染韓紅奇景絢麗勝古今在原業平朝臣018 住江(すみのえ)の岸(きし)に寄(よ)る波(なみ) 夜(よる)さへや夢(ゆめ)の通路(かよひぢ) 人目避(ひとめよ)くらむ住吉住之江江邊波濤寄岸來猶如夜中寢夢間通路竊相晤汝避人目來相逢藤原敏行朝臣019 難波潟(なにはがた) 短(みじ)かき蘆(あし)の節間(ふしのま)も逢(あ)はで此世(このよ)を過(す)ぐしてよとや浪速難波潟難波蘆葦節間短人生促須臾豈稱未逢過此世何以心安不念君伊勢020 侘(わび)ぬれば今(いま)はた同(おな)じ難波(なには)なる身(み)を盡(つ)くしても逢(あ)はむとぞ思(おも)ふ事泄心緒亂吾暮君心仍無易難波澪標矣縱令身毀永不復仍願再與君相會元良親王021 今來(いまこ)むと言(い)ひし許(ばかり)に長月(ながつき)の有明月(ありあけのつき)を待出(まちいづ)つる哉(かな)君稱今將至豈知口諾無其實久月秋夜長吾人苦待不得逢下旬有明月已出素性法師良岑玄利022 吹(ふ)くからに秋(あき)の草木(くさき)の萎(しを)るれば宜山風(むべやまかぜ)を嵐(あらし)と云(い)ふらむ風吹野邊者秋日草木為所折搖曳狀荒亂殘摧傾倒甚將枯是以山風謂之嵐文屋康秀023 月見(つきみ)れば千千(ちぢ)に物(もの)こそ悲(かな)しけれ我身一(わがみひと)つの秋(あき)には有(あ)らねど舉頭望秋月千千萬物令吾悲何其物哀者雖秋非為吾一人吾身孑然獨愁愴大江千里024 此旅(このたび)は幣(ぬさ)も取合(とりあ)へず手向山(たむけやま) 紅葉(もみぢ)の錦(にしき) 神(かみ)の隨(まにま)に此旅行急促未得備妥獻御幣此是手向山當以紅葉零似錦奉神隨意納誠情菅家菅原道真025 名(な)にし負(お)はば逢坂山(あふさかやま)の真葛(さねかづら) 人(ひと)に知(し)られで來由(くるよし)もがな若不負此名逢坂山上真葛矣小寢繰彼葛如何不為人所知竊來相會全慕情三條右大臣藤原定方026 小倉山(をぐらやま) 峰(みね)の紅葉葉(もみぢば) 心有(こころあ)らば今一度(いまひとたび)の行幸待(みゆきま)たなむ嵯峨小倉山峰上楓葉盡火紅紅葉若有心還妄且暫勿凋零更待吾君再幸臨貞信公藤原忠平027 甕原(みかのはら) 分(わ)きて流(なが)るる泉川(いづみがは) 何時見(いつみ)きとてか戀(こひ)しかるらむ三香瓶甕原水分泉湧流而下木津川泉河究竟何時曾見君令吾戀慕至於今中納言兼輔藤原兼輔028 山里(やまさと)は冬(ふゆ)ぞ寂(さび)しさ增(ま)さりける人目(ひとめ)も草(くさ)も枯(か)れぬと思(おも)へば獨居深山里時值冬日倍寂寥沒落冷清者人目離兮草木枯方寸滿溢死寂情源宗于朝臣029 心當(こころあ)てに折(を)らばや折(を)らむ初霜(はつしも)の置(お)き惑(まど)はせる白菊花(しらぎくのはな)心量計其辰何時當枝菊花折孰知初霜降一面置白惑吾人白菊花兮可怜矣凡河內躬恒030 有明(ありあけ)の由緣無(つれな)く見(み)えし別(わかれ)より曉許(あかつきばか)り憂物(うきもの)は無(な)し晨曦有明月徒留空中迎朝曉伊人甚無情相別不予再相會以故憂莫勝曉許壬生忠岑031 朝(あさ)ぼらけ有明(ありあけ)の月(つき)と見(み)る迄(まで)に吉野(よしの)の里(さと)に降(ふ)れる白雪(しらゆき)朝辰仄將明薄明之際月掛天雪降吉野里還誤有明月曜地方圓一望盡白皙坂上是則032 山川(やまがは)に風(かぜ)の架(か)けたる柵(しがらみ)は流(なが)れも飽(あ)へぬ紅葉(もみぢ)なりけり山間細清川秋風架柵阻其流細觀其柵者留滯難移不得流紅葉積水為溪柵春道列樹033 久方(ひさかた)の光長閑(ひかりのど)けき春日(はるのひ)に靜心無(しづこころな)く花(はな)の散(ち)るらむ朝陽懸虛空閑日高照暖世間此時雖春日櫻花俄遷心無靜愁帶哀思散儚華紀友則034 誰(たれ)をかも知(し)る人(ひと)に為(せ)む高砂(たかさご)の松(まつ)も昔(むかし)の友(とも)なら無(な)くに吾當以孰人交好相知為故友高砂松久常然彼為松不為人何以作友常相伴藤原興風035 人(ひと)はいさ心(こころ)も知(し)らず故里(ふるさと)は花(はな)ぞ昔(むかし)の香(か)に匂(にほ)ひける人心每浮動變化無常不知衷今日訪故地不知人心依舊否惟有花香猶往昔紀貫之036 夏夜(なつのよ)は未(ま)だ宵(よひ)ながら明(あ)けぬるを雲(くも)の何處(いづこ)に月宿(つきやど)るらむ夏夜也苦短方覺夜至夜已盡東方天將明明月無暇沉西天叢雲何處可蔽身清原深養父037 白露(しらつゆ)に風(かぜ)の吹(ふ)きしく秋野(あきのの)は貫(つらぬ)き留(と)めぬ玉(たま)ぞ散(ちり)ける瑩瑩白露者頻為風吹拂大氣寂寥秋野間猶絲無以貫繫止緒斷真珠散飛空文屋朝康038 忘(わす)らるる身(み)をば思(おも)はず誓(ちか)ひてし人命(ひとのいのち)の惜(を)しくも有哉(あるかな)不恨為君忘此身雖悲無所怨所惜為君命想君當年誓不渝今日背信命危哉右近039 淺茅生(あさぢふ)の小野篠原(をののしのはら) 忍(しの)ぶれど餘(あま)りて何(な)どか人(ひと)の戀(こひ)しき叢叢淺茅生小野篠原忍草生吾隱吾慕心不為人知至今日何以情溢戀不止參議等源等040 忍(しの)ぶれど色(いろ)に出(い)でにけり我戀(わがこひ)は物(もの)や思(おも)ふと人(いと)の問(と)ふ迄(まで)情不願人知雖隱卻仍現於色色現程如何雖隱既為人所察來問吾戀何惱哉平兼盛041 戀(こひ)す云(て)ふ我名(わがな)は未(ま)だき立(た)ちにけり人知(ひとし)れずこそ思初(おもひそめ)しか人云吾戀汝浮名已傳天下聞唯吾不識噂以為此情方萌芽竊思戀慕無人知壬生忠見042 契(ちぎり)きな互(かたみ)に袖(そで)を絞(しぼ)りつつ末(すゑ)の松山(まつやま) 波越(なみこ)さじとは嚮日契山盟互濕衣襟誓不渝揮淚絞袖乾駭浪無越末松山何以今日毀昔約清原元輔043 逢見(あひみ)ての後(のち)の心(こころ)に較(くら)ぶれば昔(むかし)は物(もの)を思(おも)はざりけり逢見相契後慕情更甚烈於前相較於今者往昔曩日所憂惱未能堪稱相思苦權中納言敦忠藤原敦忠044 逢事(あふこと)の絕(た)えてし無(な)くば中中(なかなか)に人(ひと)をも身(み)をも恨(うらみ)ざらまし今懟相思苦茍令自初無逢事反致心自得若使往日未相識於人於身不留恨中納言朝忠藤原朝忠045 哀(あはれ)とも云(い)ふべき人(ひと)は思(おも)ほえで身(み)の徒(いたづら)に成(なり)ぬべき哉(かな)今顧我身者可有孰人哀憐乎無人憐吾身縱令馬齒徒增長此亦枉然苟活哉謙德公藤原伊尹046 由良(ゆら)の門(と)を渡(わた)る舟人(ふなびと) 梶(かぢ)を絕(た)え行方(ゆくへ)も知(し)らぬ戀道哉(こひのみちかな)由良川海門渡子舟人失槳梶無術漂泛海吾人情路亦如是何去何從無所寄曾禰好忠047 八重葎(やへむぐら) 繁(しげ)れる宿(やど)の寂(さび)しきに人(ひと)こそ見(み)えね秋(あき)は來(き)にけり荒蕪雜草生八重葎茂家門間其景何其寂不見人影無人跡唯有秋來惨戚戚惠慶法師048 風(かぜ)を疾(いた)み岩打波(いはうつなみ)の己(おのれ)のみ碎(くだ)けて物(もの)を思(おも)ふ頃哉(ころかな)疾風速且勁拂揚巨浪拍岸岩汝固身如岩吾今思己如彼濤身碎心裂徒愴然源重之049 御垣守(みかきもり) 衛士(ゑじ)の炊火(たくひ)の夜(よる)は燃(も)え晝(ひる)は消(き)えつつ物(もの)をこそ思(おも)へ警固御垣守衛士炊火若吾情夜燃而晝滅吾人思火亦如是時燃時消屢煎熬大中臣能宣朝臣050 君(きみ)が為(ため) 惜(を)しからざりし命(いのち)さへ長(なが)くもがなと思(おもひ)ける哉(かな)若為與君會往日無顧不惜生然與君契後只願此命能長久廝守偕老至石爛051 斯(か)くとだにえやは伊吹(いぶき)の蓬草(さしもぐさ) さしも知(し)らじな燃(も)ゆる思火(おもひ)を雖思君如此藏於方寸不能言伊吹山蓬萌汝或不知我心思思火熾烈燃身心藤原實方朝臣052 明(あ)けぬれば暮(く)るる物(もの)とは知(し)りながら猶恨(なほうら)めしき朝(あさ)ぼらけ哉(かな)一旦天明後雖之日必終將暮猶恨不能止心怨春宵夜短促憾恨黎明散佳偶藤原道信朝臣053 嘆(なげき)つつ獨寢(ひとりぬ)る夜(よ)の明(あく)る間(ま)は如何(いか)に久(ひさ)しき物(もの)とかは知(し)る悲嘆復悲嘆獨守空閨孤寢夜問君誠可知夜長漫漫天難明待曉之間何苦久右大將道綱母054 忘(わす)れじの行末迄(ゆくすえまで)は難(かた)ければ今日(けふ)を限(かぎり)の命(いのち)ともがな君稱不忘卿誓情海枯盟石爛吾知世無常但願命隕在今宵得君愛擁死無憾儀同三司母高階貴子055 瀧音(たきのおと)は絕(た)えて久(ひさ)しく成(なり)ぬれど名(な)こそ流(なが)れて猶聞(なほきこ)えけれ瀧音絕已久昔日名瀧今水涸其形雖不再盛名流傳亙萬代至今猶聞無絕日大納言公任藤原公任056 在(あ)らざらむ此世(このよ)の外(ほか)の思出(おもひで)に今一度(いまひとたび)の逢事(あふこと)もがな此命在旦夕今思將來在他界願得追憶者只願吾身殞命前還緣再見君一面和泉式部057 巡逢(めぐりあ)ひて見(み)しや其(それ)とも判(わか)ぬ間(ま)に雲(くも)が隱(くれ)にし夜半(よは)の月哉(つきかな)邂逅巡相逢還未得細觀其形遁隱雲霧間一猶夜半月牙哉忽隱雲間難辨明紫式部058 有馬山(ありまやま) 豬名笹原(ゐなのささはら) 風吹(かぜふ)けばいで其(そ)よ人(ひと)を忘(わす)れやはする攝津有馬山豬名笹原風吹者草木為風拂嗚呼是矣其音者何得忘汝釋慕懷大貳三位藤原賢子059 休(やす)らはで寢(ね)な益物(ましもの)を小夜更(さよふ)けて傾(かたぶ)く迄(まで)の月(つき)を見(み)し哉(かな)早知君不臨不若率先入寢眠時至小夜更月傾西山天將曙望月終夜苛孤苦赤染衛門060 大江山(おほえやま) 生野(いくの)の道(みち)の遠(とほ)ければ未(ま)だ踏(ふ)みも見(み)ず天橋立(あまのはしだて)巍峨大江山生野道遠難以行母在山之端吾未得踏探母路未獲家書天橋立小式部內侍061 古(いにしへ)の奈良都(ならのみやこ)の八重櫻(やへさくら) 今日九重(けふここのへ)に匂(にほ)ひぬる哉(かな)曩古奈良都平城京中八重櫻故其昔盛日還願今日化九重綻放內裏絢繽紛伊勢大輔062 夜(よ)を籠(こ)めて鳥(とり)の空音(そらね)は計(はか)るとも世(よ)に逢坂(あふさか)の關(せき)は赦(ゆる)さじ夜暗天未明偽庭鳥鳴空音聞偽計假雞啼縱令得過函谷關豈赦輒越逢坂關清少納言063 今(いま)は唯(ただ) 思絕(おもひた)えなむとばかりを人傳(ひとづ)て成(な)らで言由(いふよし)もがな事既至如此縱今須與君絕情斷此相思者唯欲不願借人傳只願親述話事由左京大夫道雅藤原道雅064 朝(あさ)ぼらけ宇治川霧(うぢのかはぎり) 絕絕(たえだえ)に現渡(あらはれわた)る瀨瀨(せぜ)の網代木(あじろぎ)黎明早朝時宇治川霧漸見晴斷續且斷續漸而現出顯分明瀨瀨之間網代木權中納言定賴藤原定賴065 恨(うら)み侘(わび) 乾(ほ)さぬ袖(そで)だに有物(あるもの)を戀(こひ)に朽(く)ちなむ名(な)こそ惜(をし)けれ悲憤復悲憤至今既已無氣力濡袖永不乾吾名已因此戀朽惋惜難堪嘆狼藉相模066 諸共(もろとも)に悲(あは)れと思(おも)へ山櫻(やまざくら) 花(はな)より外(ほか)に知人(しるひと)も無(な)し諸共山櫻等當能悲憐感我哉除山櫻花外孰能知我解吾身孰能憐我悲吾遇前大僧正行尊067 春夜(はるのよ)の夢許(ゆめばかり)なる手枕(たまくら)に甲斐無(かひな)く立(た)たむ名(な)こそ惜(をし)けれ春夜夢無常好景虛幻易俄逝君願借手枕然其表麗卻無實只懼浮名徒立矣周防內侍平仲子068 心(こころ)にも在(あ)らで憂世(うきよ)に長(なが)らへば戀(こひ)しかるべき夜半(とは)の月哉(つきかな)不能如所願若致苟活憂世間莫得脫苦海今顧此世可戀者唯有夜半清月哉三條院三條天皇069 嵐吹(あらしふ)く三室山(みむろのやま)の紅葉葉(もみぢば)は龍田川(たつたのかは)の錦也(にしきなり)けり嵐吹三諸岳三室山上紅葉葉飄落龍田川川間紅葉朱似錦絢爛如畫映眼簾能因法師橘永愷070 寂(さび)しさに宿(やど)を立出(たちいで)て眺(なが)むれば何處(いづこ)も同(おな)じ秋夕暮(あきのゆふぐれ)獨居山庵間不耐寂寞出居步信步眺望者處處之景咸皆同誰彼時分秋夕暮良選法師071 夕去(ゆふさ)れば門田稻葉(かどたのいなば) 訪(おとづ)れて蘆丸屋(あしのまろや)に秋風(あきかぜ)ぞ吹(ふ)く夕暮黃昏刻門田稻葉聲作響一猶人來訪秋風吹拂蘆丸屋稻葉作響猶喚人大納言經信藤原經信072 音(おと)に聞(き)く高師濱(たかしのはま)の徒波(あだなみ)は掛(か)けじや袖(そで)の濡(ぬ)れもこそすれ浪搏音可聞著名難波高師濱君意勿掛心徒波莫擊濕吾袖還恐薄情君不實祐子內親王家紀伊073 高砂(たかさご)の尾上(をのへ)の櫻(さくら) 咲(さ)きにけり外山(とやま)の霞(かすみ) 立(た)たずも有(あ)らなむ高砂尾上峰頂上山櫻咲美哉今見此勝景還願外山霞莫起勿遮遠山艷櫻姿前權中納言匡房大江匡房074 憂(う)かりける人(ひと)を初瀨(はつせ)の山下(やまおろ)しよ激(はげ)しかれとは祈(いの)らぬ物(もの)を致憂復致惱薄情之人甚冷漠初瀨長谷山山下之嵐淒冷冽吾可曾祈漠如此源俊賴朝臣075 契置(ちぎりお)きし蓬艾(させも)が露(つゆ)を命(いのち)にて憐(あは)れ今年(ことし)の秋(あき)も行(い)ぬめり相諾曾相許吾命薄幸如朝露見蓬艾上露可惜今年秋又至方知此歲復背信藤原基俊076 海原(わたのはら) 漕出(こぎいで)て見(み)れば久方(ひさかた)の雲居(くもゐ)に紛(まが)ふ沖(おき)つ白波(しらなみ)綿津見海原漕出滄海一望者沖浪似皓雲海上遙空水天線誤作久方天雲居法性寺入道前關白太政大臣藤原忠通077 瀨(せ)を早(はや)み岩(いは)に塞(せ)かるる瀧川(たきがは)の割(わ)れても末(すゑ)に合(あ)はむとぞ思(おも)ふ其流疾且速川瀨遇岩遭阻絕瀧川割二分吾度彼川今雖離其末必將再相逢崇德院崇德天皇078 淡路島(あはぢしま) 通(かよ)ふ千鳥(ちどり)の鳴聲(なくこゑ)に幾夜寢覺(いくよねざ)めぬ須磨關守(すまのせきもり)近畿淡路島千鳥飛渡畫大空鳥鳴聲淒厲幾度令吾夜寢覺須磨關守甚難眠源兼昌079 秋風(あきかぜ)に棚引(たなび)く雲(くも)の絕間(たえま)より漏出(もれいづ)る月(つき)の影(かげ)の清(さや)けさ秋風曳雲長棚引綿延亙虛空雲間月光漏洩出月影誠皎潔月清朗朗今流泄左京大夫顯輔藤原顯輔080 長(なが)からむ心(こころ)も知(し)らず黑髮(くろかみ)の亂(みだれ)て今朝(けさ)は物(もの)をこそ思(おも)へ君心實如何不知可否亙長久黑髮長紊亂昨夜雲雨今朝別吾心若髮亂如麻待賢門院堀河081 郭公(ほととぎす) 鳴(な)きつる方(かた)を眺(なが)むれば唯有明(ただありあけ)の月(つき)ぞ殘(のこ)れる郭公不如歸今尋聞聲處眺去不見啼鳥蹤唯見有明天將曙殘月掛空懸太虛後德大寺左大臣藤原實定082 思侘(おもひわ)び然(さ)ても命(いのち)は有物(あるもの)を憂(う)きに耐(た)へぬは淚也(なみだなり)けり心惱徒嘆息此命今日雖仍在無非虛度矣憂愁難耐徒苟活熱淚盈眶涕泣下道因法師藤原敦賴083 世中(よのなか)よ道(みち)こそ無(な)けれ思入(おもひい)る山奥(やまのおく)にも鹿(しか)ぞ鳴(な)くなる悠悠此世間世間雖大無寄道身仍無容處深覺縱隱深山奧仍聞鳴鹿淒切聲皇太后宮大夫俊成藤原俊成084 長(なが)らへば復此頃(またこのころ)や偲(しの)ばれむ憂(う)しと見(み)し世(よ)ぞ今(いま)は戀(こひ)しき若得長壽者他日復憶此憂世可將念懷否往昔苦痛回首顧是否反致人戀惜藤原清輔朝臣085 夜(よ)も徹(すがら) 物思頃(ものおもふころ)は明(あ)けやらで閨(ねや)の隙(ひま)さへ由緣無(つれな)かりけり終夜悲不眠沉浸物思陷憂情夜長天不明豈知幽暗閨中隙亦感無情甚冷漠俊惠法師086 嘆(なげ)けとて月(つき)やは物(もの)を思(おも)はする託顏(かこちがほ)なる我淚(わがなみだかな)月云嘆息乎似令人作徒物思雖知非如此不覺託顏作慍色我淚涕下竊怨月西行法師佐藤義清087 村雨(むらさめ)の露(つゆ)も未(ま)だ乾(ひ)ぬ真木葉(まきのは)に霧立昇(きりたちのぼ)る秋夕暮(あきのゆふぐれ)村雨叢陣雨雨露未乾置木葉真木杉檜間霧氣冉冉昇瀰漫秋日蕭條夕暮時寂蓮法師藤原定長088 難波江(なにはえ)の蘆苅根(あしのかりね)の一節故(ひとよゆゑ) 澪標(みをつくし)てや戀渡(こひわた)るべき難波江蘆茂蘆葦苅根一節短假眠一夜故當顧澪標汎江海宜盡此生為戀慕皇嘉門院別當089 玉緒(たまのお)よ絕(た)えなば絕(た)えね長(なが)らへば忍(しの)ぶる事(こと)の弱(よわ)りもぞする珠絲玉緒者汝若將絕實當絕吾命亦如思若徒長生茍存世只畏難忍竊慕情式子內親王090 見(み)せばやな雄島海人(をじまのあま)の袖(そで)だにも濡(ぬ)れにぞ濡(ぬ)れし色(いろ)は變(かは)らず欲使君觀之雄島海人濡袖濕常濡色不變然吾衣袖血淚沾染作朱紅見斑斑殷富門院大輔091 蟋蟀(きりぎりす) 鳴(な)くや霜夜(しもよ)の狹蓆(さむしろ)に衣片敷(ころもかたし)き一人(ひとり)かも寢(ね)む秋節蟋蟀鳴霜夜孤眠窄蓆寒敷衣草蓆上不能成雙唯孤枕獨寢難眠甚悽悽後京極攝政前太政大臣藤原良經092 我袖(わがそで)は潮乾(しほひ)に見(み)えぬ沖石(おきのいし)の人(ひと)こそ知(し)らね乾(かわ)く間(ま)も無(な)し吾袖如沖石縱在潮退深不出沖石未嘗乾不為人知久浸潤濕袖未有俄乾時二條院讚岐093 世中(よのなか)は常(つね)にもがもな渚漕(なぎさこ)ぐ天小舟(あまのこぶね)の綱手悲(つなでかな)しも世事總無常若願何者能長久漕渚天小舟願彼綱手永不絕令人難忘甚愛憐鎌倉右大臣源實朝094 御吉野(みよしの)の山秋風(やまのあきかぜ) 小夜更(さよふ)けて舊里寒(ふるさとさむ)く衣打(ころもう)つ也(なり)大和御吉野吉野山秋風蕭瑟夜更吹故里冽氣更令舊里寒猶聞戶戶擣衣聲參議雅經藤原雅經095 おほけ無(な)く憂世(うきよ)の民(たみ)に覆(おほ)ふ哉(かな) 我(わ)が立杣(たつそま)に墨染袖(すみぞめのそで)吾身力不逮今在比叡杣山上身著墨染袖不知今借三寶力可否覆澤憂世民前大僧正慈円096 花誘(はなさそ)ふ嵐(あらし)の庭(には)の雪(ゆき)ならで降行(ふりゆ)く物(もの)は我身也(わがみなり)けり山嵐誘花至庭間落花紛似雪花零吾身者還憂己身日益衰年歲老去猶花落入道前太政大臣藤原公經097 來(こ)ぬ人(ひと)を松帆浦(まつほのうら)の夕凪(ゆふなぎ)に燒(き)くや藻鹽(もしほ)の身(み)も焦(こが)れつつ身居松帆浦江畔待人人不至黃昏夕凪間一猶海人燒藻鹽吾人心焚身亦焦權中納言定家藤原定家098 風(かぜ)そよぐ楢(なら)の小川(をがは)の夕暮(ゆふぐ)れは禊(みそぎ)ぞ夏(なつ)の徵也(しるしなり)ける風吹楢樹響賀茂御手洗川上晚夏初秋時唯有夕暮祓禊事稍留六月夏日徵從二位家隆藤原家隆099 人(ひと)も惜(を)し人(ひと)も恨(うら)めし味色無(あぢきな)く世(よ)を思故(おもふゆえ)に物思(ものおも)ふ身(み)は時惜憐他者時憎他人常反覆無奈俗世間我心不由陷物悲心亂如麻不自己後鳥羽院後鳥羽天皇100 百敷(ももしき)や古(ふる)き軒端(のきば)の偲(しの)ぶにも猶餘有(なほあまりあ)る昔也(むかしなり)けり百敷大宮闈今日忍草荒叢生偲懷古軒簷已是大昔歲有餘唯得永憶在心中順德院順德天皇。
百人一首译

百人一首译集团企业公司编码:(LL3698-KKI1269-TM2483-LUI12689-ITT289-秋野秋日田野间,庵屋初搭就。
覆盖草席疏,冷露湿衫袖。
春方迟迟去春方迟迟去,夏又到人间。
白衣无数点,晾满香具山。
长夜悠悠长夜长,长似雉鸡尾。
孤零只一人,辗转如何睡?田子浦一出田子浦,遥见富士山。
高高青峰上,纷纷白雪寒。
深山红叶深山红叶满地飘,足踏红叶路迢迢。
闻道鹿鸣声哀苦,悲感风寒秋气高。
鹊桥宫阶若鹊桥,秋霜满地飘。
茫茫白一片,寒夜正迢迢。
长空望月(晁衡)辽阔长天玉镜升,仰首遥望动乡情。
犹是当年春日月,曾在三笠山顶明。
草庵我今幽居结草庵,远离京府在东南。
我自悠然人忧患,人谓人间忧治山。
好花好花转瞬即飘零,只恨空空度此生。
伤心红泪何所似?连绵细雨不能晴。
逢坂关去去来来去来频,相逢相别乱纷纷。
问何相识不相识,逢坂关多流落人。
海上远方洋面岛成群,一叶轻帆离海滨。
寄语渔舟垂钓者,其传消息与伊人。
大风大风浩浩起长天,云路归途尽锁严。
天女翩翩归不得,暂留舞态在人间。
筑波峰间水筑波峰间水,流出汇成川。
恋情心头积,深深如巨渊。
奥州花布奥州花布色纷纷,花色凌乱似我心。
我心为谁乱如许?除君以外更无人。
赠君只为持赠君,郊野采嫩菜。
春雪纷纷飘,落满衣袖带。
离别别君远赴因幡国,心似稻叶山顶松。
天边若闻君相待,自当速速就归程。
龙田川红叶神代灵迹处处生,远古未见此奇情。
浩浩龙田川里水,尽被红叶染成红。
江涛拍岸江涛拍岸似余情,自朝至夜不肯停。
梦里往来荒野道,为逃人目暗中行。
难波湾难波湾里芦苇丛,短如苇节也难逢。
此生与君晤不得,年华虚度我伤情。
寂寞辛酸寂寞辛酸度此生,至今仍是苦烦中。
宁赴难波江中死,也愿与君相聚逢。
即将此处来即将此处来,曾是君言说。
久等却不至,候见晓空月。
山风吹过山风甫吹过,秋深草木黄。
似经暴风雨,枝叶俱凋伤。
望月仰望明月照四方,心头处处尽忧伤。
非缘已因秋来冷,只因秋来天下凉。
今朝远旅今朝远旅去天边,未带路神受祭钱。
日本古代诗集《小仓百人一首》对唐诗的仿写与革新

日本古代诗集《小仓百人一首》对唐诗的仿写与革新
《小仓百人一首》是由歌人藤原定家应宇都氏之请编撰而成的,其中分别收录了从天智天皇到顺德天皇间100名杰出歌人的一首和歌,因而得名“百人一首”。
《小仓百人一首》在日本的受关注度与影响度极大,但在中国对其的研究较为片面且不够完整深入。
根据历史,《小仓百人一首》收录和歌的创作时期正是中日文化交流的一个高潮期——“唐朝”,唐诗对小仓诗的影响就不可避免。
而本论文关注的重点也正是小仓诗对唐诗的仿写与革新之处。
研究发现,《小仓百人一首》的和歌创作充分体现了唐诗的意境。
作为贵族文人代表的100名歌人,将自身的情感体验与日本传统文化融入其中,在实现对唐诗的充分模仿的同时又传递出了和歌的民族特色。
本论文将分为五个部分来探讨《小仓百人一首》对唐诗的仿写与革新之处,以及其蕴含的深层文化内涵。
第一部分是引言,简要介绍《小仓百人一首》的成书情况和影响,对其的研究现状,本论文的研究方法以及唐朝时期中日文化的交流概况。
第二部分主要讲小仓爱情诗对唐诗的仿写与革新,及其背后蕴含的日本文化,包括“访妻婚文化”、“赠礼文化”、“竹取少女传说”等;第三部分主要讲小仓自然诗对唐诗的仿写与革新,及其背后蕴含的日本文化,包括“物哀美学”、“幽玄美学”、“神道传说”等;第四部分主要讲小仓羁旅诗对唐诗的仿写与革新,及其背后蕴含的日本文化,包括“遣唐使文化”、“季语”等。
本论文更倾向于诗歌背后的文化分析,各个章节之间的文化分析并不是独立开来的,不同类型的小仓诗有受到同一文化的影响或者同一类型的小仓诗受到多
种文化的影响,由此在文化分析上整篇文章形成一个有机的整体,在此基础上再探讨小仓诗对唐诗的仿写与革新之处。
百人一首

58.有马山猪名の笹原风吹けばいでそよ人を忘れやはする/大弐三位
猪名川岸青原野,有马山中竹叶林。君爱渐疏终不忘,山风犹助我声音。
59.やすらはで寝なましものをさ夜ふけてかたぶくまでの月を见しかな/赤染卫门
夜阑难入梦,君诺却成空。我自痴心甚,叹息望月中。
逢坂山中真葛草,相思缠系万千条。愿随枝蔓到君処,不被人知不必逃。
26.小仓山峰のもみぢ叶心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ/贞信公
秋霜醉红叶,遍染小仓山。莫使凋零去,明朝待圣颜。
27、みかの原わきて流るるいづみ川いつみきとてか恋しかるらむ/中纳言兼辅
瓶原河水分,涌到泉川边。我自空追慕,相逢在哪天?
春夜梦阑当睡去,不堪手枕叹名声。
68.心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな/三条院
滚滚红尘终误我,今宵夜月可流连?
69.あらしふく三室の山の红叶は立田の川のにしきなりけり
能因法师红叶风吹散,秋深三室山。飘飘如绣锦,尽染龙田川。
70、寂しさに宿を立ち出でてながむればいづこも同じ秋の夕暮れ。——良暹法师
20.わびぬれば今はた同じ难波なる身をつくしても逢はむとぞ思ふ/元良亲王
风雨城中满,相思蚀骨销。逢君何可畏?舍死作澪标。
21、今来むといひしばかりに长月の有明の月をまち出でつるかな。——素性法师
长夜候君君不至,阶前明月等多时。
22、吹くからに秋の草木のしをるればむべ山风をあらしといふらむ/文屋康秀
我向茫茫岛上行,生涯从此类浮萍。孤舟一棹成千里,借语渔夫告友朋。
12、天つ风、云の通ひ路、吹き闭ぢよ、をとめの姿、しばしとどめむあまつかぜ、くものかよひぢ、ふきとぢよ、をとめのすがた、しばしとどめむ
《小仓百人一首》和歌赏析

《小仓百人一首》和歌赏析作者:王彦来源:《北方文学》2017年第24期摘要:和歌作为日本文学的一种独特形式在历史上留下了异常清丽的风景。
它以和音为基础,多用枕词、序词,声调庄重、流丽。
虽然有短歌、长歌、片歌、旋头歌等多种形式,但最后固定下了31个音节的短歌形式,体现了日本复杂的精神文化。
关键词:《小仓百人一首》;纪有则;纪贯之;和歌赏析《小仓百人一首》汇集了日本平安王朝文化七百年的100首名歌,是最廣为流传的和歌集。
其编撰者藤原定家在 74岁时,被委托设计位在京都嵯峨野的别墅“小仓山”里和室门上的装饰图样。
于是,藤原定家从《古今集》、《新古今集》等敕撰和歌集中,依年代先后挑选出100位介于天智天皇到顺德天皇间的杰出歌人及其一首作品,集结成《百人一首》,又称《小仓百人一首》。
到了江户时代,《小仓百人一首》中的和歌还被制成了カルタ(歌留多,即纸牌),开始在民间流传。
特别是作为新年的游戏,一直受到大家的欢迎,代代传诵,家喻户晓,千百年来对日本民族的生活情趣和审美意识的形成产生了深远的影响。
ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ――紀友則「出典:『古今集』(巻二)」◎作者简介纪友则(?-907年),日本平安时代三十六歌仙之一,《古今和歌集》的编撰者之一,但未编撰完成就去世了。
他是纪贯之的堂兄,早年就活跃于歌坛,年过40岁仍无官职,曾作歌自嘲为不开花之树木。
《古今和歌集》等共收录其作品约66首。
◎和歌大意陽光ものどかなこの春の日なのに、なぜ落ち着いた心もなく、桜の花は散り急ぎでいるのであろうか。
樱花拼命盛开之后,为什么在晴好的日子里,也凋零得这么快啊,不由得令人一声长叹。
◎和歌汉译灿灿阳光里,融融春意酣。
芳心何事乱,簌簌樱花残。
(刘德润)阳光明媚,春日悠闲,只见樱花匆匆飘落。
望满地点点芳魂,真令人惆怅留恋。
(刘德润)春风暖,旭日融,风和日丽意正浓。
芳心乱,吾亦愁,樱花散尽惹人疼。
(笔者试译)◎和歌鉴赏这首和歌对樱花的早开早谢充满了疼惜之情,具有唯美风格。
自己翻译的百人一首部分

自己没事翻译着玩儿的日本的百人一首,感觉超好玩,嘿嘿~~ 百人一首を我流で訳してみようかなぁ~1、きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む霜夜秋虫鸣寒衾孤枕独入眠秋虫鸣霜夜冷凉衾一袭寂梦寒2、花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに花零落红颜衰冷雨入心别样寒残红零落朱颜换独倚冷雨夜微寒3,白露に風の吹きしく秋の野はつらぬき留めぬ玉ぞ散りける一瞬清风秋野彻珠露乱语逐丝散珠露垂草冉冉秋风送丝断无凭4,有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし云淡霜月曙画角声残谁知离别苦皓月冷照离人路断肠晨光处5、ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ紀友則(33番)『古今集』春下・84日和春光暖心渐乱花落无踪春日暖心难平落红应满径6、逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし思绵绵,夜永对景,何必曾相逢7、御垣守衛士の焚く火の夜は燃え昼は消えつつものをこそ思へ夜已三更宫中篝火冷若将心事付先成泪御垣守夜夜篝火明怎照尽离人情8、誰をかもしる人にせむ高砂の松もむかしの友ならなくに时光荏苒高砂松伴斜阳远故人何处星霜屡变寂颜空对高砂松盼遣伤情知与谁同9、君がため春の野に出でて若菜摘む我が衣手に雪は降りつつ新绿寻踪春野中长袖落白只为佳人顾衣衫春雪覆只撷新绿一抹相思情付10、陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに陆奥衣纹乱伤怀何处寻芳踪衣纹乱如心中波碎相思尽头何处11、住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ住之江畔晚波声冷素手梦中仍难携住之江波那堪夜色怎若孤寂梦中路难寻朱颜影12、千早ぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは千里唐红尽付龙田川遍问古今上下知者几何?龙田川上枫红遍染古今几人知。
百人一首一览

秋野秋日田野间,庵屋初搭就。
覆盖草席疏,冷露湿衫袖。
春方迟迟去春方迟迟去,夏又到人间。
白衣无数点,晾满香具山。
长夜悠悠长夜长,长似雉鸡尾。
孤零只一人,辗转如何睡?田子浦一出田子浦,遥见富士山。
高高青峰上,纷纷白雪寒。
深山红叶深山红叶满地飘,足踏红叶路迢迢。
闻道鹿鸣声哀苦,悲感风寒秋气高。
鹊桥宫阶若鹊桥,秋霜满地飘。
茫茫白一片,寒夜正迢迢。
长空望月(晁衡)辽阔长天玉镜升,仰首遥望动乡情。
犹是当年春日月,曾在三笠山顶明。
草庵我今幽居结草庵,远离京府在东南。
我自悠然人忧患,人谓人间忧治山。
好花好花转瞬即飘零,只恨空空度此生。
伤心红泪何所似?连绵细雨不能晴。
逢坂关去去来来去来频,相逢相别乱纷纷。
问何相识不相识,逢坂关多流落人。
海上远方洋面岛成群,一叶轻帆离海滨。
寄语渔舟垂钓者,其传消息与伊人。
大风大风浩浩起长天,云路归途尽锁严。
天女翩翩归不得,暂留舞态在人间。
筑波峰间水筑波峰间水,流出汇成川。
恋情心头积,深深如巨渊。
奥州花布奥州花布色纷纷,花色凌乱似我心。
我心为谁乱如许?除君以外更无人。
赠君只为持赠君,郊野采嫩菜。
春雪纷纷飘,落满衣袖带。
离别别君远赴因幡国,心似稻叶山顶松。
天边若闻君相待,自当速速就归程。
龙田川红叶神代灵迹处处生,远古未见此奇情。
浩浩龙田川里水,尽被红叶染成红。
江涛拍岸江涛拍岸似余情,自朝至夜不肯停。
梦里往来荒野道,为逃人目暗中行。
难波湾难波湾里芦苇丛,短如苇节也难逢。
此生与君晤不得,年华虚度我伤情。
寂寞辛酸寂寞辛酸度此生,至今仍是苦烦中。
宁赴难波江中死,也愿与君相聚逢。
即将此处来即将此处来,曾是君言说。
久等却不至,候见晓空月。
山风吹过山风甫吹过,秋深草木黄。
似经暴风雨,枝叶俱凋伤。
望月仰望明月照四方,心头处处尽忧伤。
非缘已因秋来冷,只因秋来天下凉。
今朝远旅今朝远旅去天边,未带路神受祭钱。
满山红叶美如锦,即做厚礼献神前。
逢坂山山名逢坂意相逢,草曰双栖美且青。
但愿能趁人未觉,去往君处叙深情。
百人一首日语

SAKURA_璇璇
颇具盛名7
ながれもあへぬ もみぢなりけり
(やまがはに かぜのかけたる しがらみは
ながれもあへぬ もみぢなりけり)
春道列树
(はるみちのつらき)
三十三
久方の 光のどけき 春の日に
しづ心なく 花の散るらむ
(ひさかたの ひかりのどけき はるのひに
しづこころなく はなのちるらむ)
(さんじょうのうだいじん)
二十六
小仓山 峰のもみぢ叶 心あらば
いまひとたびの みゆきまたなむ
(をぐらやま みねのもみぢば こころあらば
いまひとたびの みゆきまたなむ)
贞信公
(ていしんこう)
二十七
みかの原 わきて流るる いづみ川
いつみきとてか 恋しかるらむ
(みかのはら わきてながるる いづみがは
からくれなゐに みづくくるとは)
在原业平朝臣
(ありわらのなりひらあそん)
十八
住の江の 岸による波 よるさへや
梦のかよひ路 人目よくらむ
(すみのえの きしによるなみ よるさへや
ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ)
藤原敏行朝臣
(ふじわらのとしゆきあそん)
十九
难波潟 みじかき芦の ふしのまも
(ごんちゅうなごんあつただ)
四十四
あふことの たえてしなくば なかなかに
人をも身をも 恨みざらまし
(あふことの たえてしなくば なかなかに
ひとをもみをも うらみざらまし)
中纳言朝忠
(ちゅうなごんあさただ)
四十五
あはれとも いふべき人は 思ほえで
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小倉百人一首(汉字标假名)1 秋あきの田たの かりほおの庵いおの苫とまをあらみ わが衣ころもでは 露つゆにぬれつつ 2 春はるすぎて 夏なつ来きにけらし白妙しろたえの 衣ころもほすてふちょう 天あまの香か具ぐ山やま3 あしびきの 山鳥やまどりの尾おの しだり尾おの長ながながし夜よを ひとりかも寝ねむん4 田子たごの浦うらに うち出いでて見みれば 白妙しろたえの富士ふじの高たか嶺ねに 雪ゆきは降ふりつつ5 奥山おくやまに 紅葉もみじふみわけ 鳴なく鹿しかの声こえきく時ときぞ 秋あきはかなしき6 かささぎの わたせる橋はしに おく霜しもの白しろきを見みれば 夜よぞふけにける7 天あまの原はら ふりさけ見みれば 春日かすがなる三み笠かさの山やまに 出いでし月つきかも8 わが庵いおは 都みやこのたつみ しかぞすむ世よをうぢじ山やまと 人ひとはいふゆうなり9 花はなの色いろは うつりにけりな いたづらにわが身み世よにふる ながめせしまに10 これやこの 行ゆくも帰かえるも 別わかれては知しるも知しらぬも 遭坂おうさかの関せき11 わたの原はら 八や十そ島しまかけて こぎ出いでぬと人ひとには告つげよ あまのつり舟ぶね12 天あまつ風かぜ 雲くもの通かよひい路じ 吹ふき閉とぢじよをおとめの姿すがた しばしとどめむん13 筑つく波ば嶺ねの 峰みねより落おつる みなの川がわ恋こいぞつもりて 淵ふちとなりぬる14 陸奥みちのくの しのぶもぢじずり たれゆゑえに乱みだれそめにし われならなくに15 君きみがため 春はるの野のに出いでて 若わか菜なつむわが衣ころも手でに 雪ゆきはふりつつ16 立たち別わかれ いなばの山やまの 峰みねに生おふうるまつとし聞きかば 今いま帰かえり来こむん17 ちはやぶる 神かみ代よも聞きかず 竜たつ田た川がわからくれなゐいに 水みずくくるとは18 住すみの江えの 岸きしによる波なみ よるさへえや夢ゆめの通かよひい路じ 人ひと目めよくらむん19 難なに波わ潟がた 短みじかき蘆あしの ふしの間まも遭あはわでこの世よを すぐしてよとや20 わびぬれば 今いまはたおなじ 難なに波わなるみをつくしても 遭あはわむんとぞ思おもふう21 今いま来こむんと いひいしばかりに 長月ながつきの有明ありあけの月つきを 待まち出いでつるかな22 吹ふくからに 秋あきの草くさ木きの しをおるればむべ山風やまかぜを あらしといふうらむん23 月つき見みれば ちぢにものこそ 悲かなしけれわが身みひとつの 秋あきにはあらねど24 このたびは 幣ぬさもとりあへえず 手た向むけ山やま紅葉もみじの錦にしき 神かみのまにまに25 名なにし負おはわば 逢坂山おうさかやまの さねかづずら人ひとに知しられで くるよしもがな26 小こ倉くら山やま 峰みねのもみぢじ葉ば 心こころあらば今いまひとたびの みゆき待またなむん27 みかの原はら わきて流ながるる いづずみ川がわいつ見みきとてか 恋こいしかるらむん28 山里やまざとは 冬ふゆぞ寂さびしさ まさりける人ひと目めも草くさも かれぬと思おもへえば29 心こころあてに 折おらばや折おらむ 初霜はつしもの置おきまどはわせつ 白菊しらぎくの花はな30 有明ありあけの つれなく見みえし 別わかれより暁あかつきばかり 憂うきものはなし31 朝あさぼらけ 有明ありあけの月つきと 見みるまでに吉よし野のの里さとに 降ふれる白雪しらゆき32 山川やまがわに 風かぜのかけたる しがらみは流ながれもあへぬ 紅葉もみじなりけり33 ひさかたの 光ひかりのどけき 春はるの日ひにしづず心ごころなく 花はなの散ちるらむん34 たれをかも 知しる人ひとにせむん 高砂たかさごの松まつも昔むかしの 友ともならなくに35 人ひとはいさ 心こころも知しらず ふるさとは花はなぞ昔むかしの 香かににほひおいける36 夏なつの夜よは まだ宵よいながら 明あけぬるを雲くものいづずこに 月宿つきやどるらむん37 白露しらつゆに 風かぜの吹ふきしく 秋あきの野のはつらぬきとめぬ 玉たまぞ散ちりける38 忘わすらるる 身みをば思おもはわず ちかひいてし人ひとの命いのちの 惜おしくもあるかな39 浅あさ茅じ生うの 小野おのの篠原しのはらしのぶれどあまりてなどか 人ひとの恋こいしき40 しのぶれど 色いろに出いでにけり わが恋こいはものや思おもふうと 人ひとの問とふうまで41 恋こいすてふちょう わが名なはまだき 立たちにけり人ひと知しれずこそ 思おもひいそめしか42 契ちぎりきな かたみに袖そでを しぼりつつ末すえの松山まつやま 波なみ越こさじとは43 逢あひい見みての のちの心こころに くらぶれば昔みかしはものを 思おもはわざりけり44 逢あふうことの 絶たえてしなくは なかなかに人ひとをも身みをも 恨うらみざらまし45 あはわれとも いふうべき人ひとは 思おもほおえで身みのいたづずらに なりぬべきかな50 君きみがため 惜おしからざりし 命いのちさへえ長ながくもがなと 思おもひいけるかな51 かくとだに えやはいぶきの さしも草ぐささしも知しらじな 燃もゆる思おもひいを52 明あけぬれば 暮くるるものとは 知しりながらなほお恨うらめしき 朝あさぼらけかな53 嘆なげきつつ ひとり寝ねる夜よの 明あくる間まはいかに久ひさしき ものとかは知しる54 忘わすれじの 行ゆく末すえまでは かたければ今日きょうをかぎりの 命いのちともがな55 滝たきの音おとは 絶たええて久ひさしく なりぬれど名なこそ流ながれて なほお聞きこえけれ56 あらざらむん この世よのほかの 思おもひい出でに今いまひとたびの 逢あふうこともがな57 めぐり逢あひいて 見みしやそれとも わかぬ間まに雲隠くもがくれにし 夜半よわの月つきかな58 有あり馬ま山やま 猪名いなの笹原ささはら 風かぜ吹ふけばいでそよ人ひとを 忘わすれやはする59 やすらはわで 寝ねなましものを さ夜よふけてかたぶくまでの 月つきを見みしかな60 大おお江え山やま いく野のの道みちの 遠とおければまだふみも見みず 天あまの橋立はしだて61 いにしへえの 奈良ならの都みやこの 八や重え桜ざくらけふきょう九ここの重えに にほひおいぬるかな62 夜よをこめて 鳥とりのそら音ねは はかるともよに逢坂おうさかの 関せきは許ゆるさじ63 今いまはただ 思おもひい絶たえなむんとばかりを人ひとづてならで いふうよしもがな64 朝あさぼらけ 宇治うじの川霧かわぎりたえだえにあらはわれわたる 瀬々せぜの網あ代じろ木ぎ65 恨うらみわび ほさぬ袖そでだに あるものを恋こいに朽くちなむん 名なこそ惜おしけれ66 もろともに あはわれと思おもへえ 山やま桜ざくら花はなよりほかに 知しる人ひともなし67 春はるの夜よの 夢ゆめばかりなる 手た枕まくらにかひなく立たたむん 名なこそ惜おしけれ68 心こころにも あらで憂うき世よに ながらへえば恋こいしかるべき 夜半よわの月つきかな69 嵐あらし吹ふく 三み室むろの山やまの もみぢじ葉ばは竜たつ田たの川かわの 錦にしきなりけり70 寂さびしさに 宿やどを立たち出いでて ながむればいづずこも同おなじ 秋あきの夕ゆう暮ぐれ71 夕ゆうされば 門かど田たの稲いな葉ば おとづずれて蘆あしのまろやに 秋風あきかぜぞ吹ふく72 音おとに聞きく 高たか師しの浜はまの あだ波なみはかけじや袖そでの ぬれもこそすれ73 高砂たかさごの 尾おの上えの桜さくら 咲さきにけり外と山やまの霞かすみ 立たたずもあらなむん74 憂うかりける 人ひとを初はつ瀬せの 山やまおろしよ激はげしかれとは 祈いのらぬものを75 契ちぎりおきし させもが露つゆを 命いのちにてあはわれ今こ年としの 秋あきもいぬめり76 わたの原はら 漕こぎ出いでてみれば ひさかたの雲くも居いにまがふう 沖おきつ白波しらなみ77 瀬せをはやみ 岩いわにせかるる 滝川たきがわのわれても末すえに あはわむんとぞ思おもふう78 淡あわ路じ島しま 通かよふう千ち鳥どりの 鳴なく声こえに幾いく夜よ寝ねざめぬ 須磨すまの関守せきもり79 秋風あきかぜに たなびく雲くもの 絶たえ間まよりもれ出いづずる月つきの 影かげのさやけさ80 長ながからむん 心こころも知しらず 黒髪くろかみの乱みだれて今朝けさは ものをこそ思おもへえ81 ほととぎす 鳴なきつる方かたを ながむればただ有明ありあけの 月つきぞ残のこれる82 思おもひいわび さても命いのちは あるものを憂うきにたへえぬは 涙なみだなりけり83 世よの中なかよ 道みちこそなけれ 思おもひい入いり山やまの奥おくにも 鹿しかぞ鳴なくなる84 ながらへえば またこのごろや しのばれむん憂うしと見みし世よぞ 今いまは恋こいしき85 夜よもすがら もの思おもふうころは 明あけやらぬ閨ねやのひまさへえつれなかりけり86 嘆なげけとて 月つきやはものを 思おもはわするかこち顔がおなる わが涙なみだかな87 村雨むらさめの 露つゆもまだひぬ まきの葉はに霧きり立たちのぼる 秋あきの夕ゆう暮ぐれ88 難なに波わ江えの 蘆あしのかりねの ひとよゆゑえみをつくしてや 恋こひいわたるべき89 玉たまの緒およ 絶たえなば絶たえね ながらへえば忍しのぶることの 弱よわりもぞする90 見みせばやな 雄お島じまのあまの 袖そでだにもぬれにぞぬれし 色いろはかはわらず91 きりぎりす 鳴なくや霜しも夜よの さむしろに衣ころもかたしき ひとりかも寝ねむん92 わが袖そでは 潮しお干ひにみえぬ 沖おきの石いしの人ひとこそ知しらね かわく間まもなし93 世よの中なかは 常つねにもがもな 渚なぎさこぐあまの小お舟ぶねの 綱つな手でかなしも94 み吉よし野のの 山やまの秋風あきかぜ さ夜よふけてふるさと寒さむく 衣ころも打うつなり95 おほおけなく 憂うき世よの民たみに おほふおうかなわが立たつ杣そまに 墨すみ染ぞめの袖そで96 花はなさそふう 嵐あらしの庭にわの 雪ゆきならでふりゆくものは わが身みなりけり97 来こぬ人ひとを まつほの浦うらの 夕ゆうなぎに焼やくや藻も塩しおの 身みもこがれつつ98 風かぜそよぐ ならの小お川がわの 夕ゆう暮ぐれはみそぎぞ夏なつの しるしなりける99 人ひともをおし 人ひとも恨うらめし あぢじきなく世よを思おもふうゆゑえに もの思おもふう身みは100ももしきや 古ふるき軒のき端ばの しのぶにもなほおあまりある 昔むかしなりけり。