天声人语(2015年12月)
日语学习资料:天声人语之前总指挥英年早逝

日语学习资料:天声人语之前总指挥英年早逝《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
对于日语学习者,阅读和翻译它,无疑是了解日本、提高自己日语水平的大好方法。
自然には美しさと非情が相混じる。
古来、この国土は数多の地異に揺れ、天変に叩かれてきた。
1年のどの日にも、大小の爪痕と人々の涙が刻まれていよう。
今日もそうだ。
北海道の奥尻島などを大津波が襲った北海道南西沖地震から20年の節目になる大自然中美丽与无情混杂,自古以来,这一方国土曾多次经历了天灾地震威胁着人们的生活。
1年之中几乎每一天都镌刻着大小伤痕和人们的眼泪。
今天也是如此,是北海道西南海区地震发生20周年的纪念日。
当年,一场特大海啸袭击了北海道奥尻岛等地区。
揺れたのは夜、数分後に波がきた。
闇の中、人や家が流されていくのが、流される車のライトで見えたという。
奥尻島では死者・行方不明者が198人にのぼり、くむべき教訓を山と残した地震发生在夜晚,几分钟之后海啸便向我们袭来。
借着被卷走汽车车头的灯光,我们看到了黑暗中被冲跑的人与房屋。
仅奥尻岛地区死者・失踪者就高达198名,漫山遍野到处都遗留着本该由我们汲取的教训。
2階に上がると言う妻に、夫が「高台でなきゃだめだ」と怒鳴って走り、助かった夫婦がいた。
一緒に逃げた近所の母子3人は「ばあちゃんのところに寄っていく」と言いだし、津波にのまれたという。
同じことが東日本大震災でも繰り返された丈夫奔跑着对说是要上2楼的妻子呼喊,“一定要到高处躲避!”,这对夫妇得救了。
附近一家逃出去的母子3人说是“要绕道姥姥家看看”,结果被海啸吞没。
同样的事件在东日本大地震中也反复出现。
教訓を伝えるのは簡単ではない、というのが、被災直後の島で取材した本紙記者の20年後の実感だ。
一つ一つの天災はそれぞれに教訓を残す。
そこで、時代をさかのぼって古文書や石碑を調べ、防災に生かそうという自治体が近年増えている记取教训并不是件简单的事。
日语学习资料:天声人语之天外来物震惊世界

日语学习资料:天声人语之天外来物震惊世界《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
对于日语学习者,阅读和翻译它,无疑是了解日本、提高自己日语水平的大好方法。
ロシアのウラル地方に飛来して爆発した隕石(いんせき)は世界を驚かせた。
「鳥か! 飛行機か! いや、隕石だ」。
スーパーマンのフレーズをもじった見出しをつけて、はしゃいだ感じの英字紙もあった。
被害は小さくないものの、死者が出なかったのは不幸中の幸いだった坠落于俄罗斯乌拉尔地区并引发爆炸的这块陨石震惊了世界,“是飞鸟?还是飞机?不,那是陨石!”有些英文报纸甚至还套用当年报道超人的手法加注了标题大肆渲染。
虽然受害不小可并未造成死亡,这也算是不幸中的万幸了。
▼「好きなものいちご珈琲(コーヒー) 花美人懐手(ふところで)して宇宙見物」は物理学者寺田寅彦のざれ歌だが、その場の人はとても「懐手で見物」の余裕などなかっただろう。
流れ星ならともかく、大宇宙はときに、とんでもないものを我らが星に落としてよこす▼物理学家寺田寅彦有一首诙谐的和歌,<心爱之物不老少,草莓咖啡鲜花好,牵手美女太空游,万事不问自逍遥>,不过当时在现场的人们恐怕不会有那种“万事不问看风景”的逍遥吧。
流星那就更不必说了,诺大个太空,说不定什么时候落下个意料不到的东西到我们这个星球上。
▼地球をかすめる小惑星の話を15日の小欄に書いた。
その最接近が刻々と迫るなか、隕石は青い空を切り裂いた。
双方に関連はないそうだが、それならそれで、計ったような偶然に宇宙の深遠感はいや増す▼15日的敝栏目里曾刊登了一则关于小行星掠地球而过的消息,就在它最接近我们的那一刻越来越近的时候,一颗陨石划破了蓝天。
据说两者之间并无关联,就算是如此,这如同计算好了的偶然更增添了太空深远不可预测的感觉。
▼音速の50倍という速度で飛んできた物体の持つ力も、想像を絶する。
日语学习资料:天声人语之天外来客接近地球

日语学习资料:天声人语之天外来客接近地球《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
对于日语学习者,阅读和翻译它,无疑是了解日本、提高自己日语水平的大好方法。
わが子のように、星にも名前がつく。
彗星(すいせい)や小惑星を見つけた人の特権だ。
まずは国際機関が仮符号を与え、彗星は本人の名に、小惑星は何なりと発見者が望む名になる。
アマ天文家の血が騒ぐわけである就像对自己孩子一样,给星宿起个名字。
这是发现慧星及小行星者的特权。
首先由国际组织授于一个临时符号,然后,慧星采用其本人的名字,小行星则采用发现者希望的某某名字。
因此,这也是使得业余天文爱好者倾注满腔热情的一件事。
▼「存在を主張するかのように太陽の光を反射し、かすかに輝く星たち。
それを見つけ、想(おも)いを託した名前を付ける。
その小惑星たちが宇宙空間を回り続けるとすれば、これほどのロマンはない」(渡辺和郎『小惑星ハンター』誠文堂新光社)▼“就像是为了强调自己的存在,星宿们利用太阳光的反射,尽显自身的辉煌。
然后,由某人发现了它,并给它起了一个寄托着自己梦想的名字。
倘若这样的小行星们能够持续不断地在太空中遨游的话,该是一件多么浪漫传奇的事啊!”(摘引自渡边和郎著《小行星猎奇》成文堂新光社出版)▼あす未明、中層ビル大の小惑星が地球をかすめる。
スペインの観測者が見つけて1年、名は仮符号2012DA14のままだ。
最接近は日本時間4時24分、静止衛星の軌道のさらに内側を通る。
観測史上、この規模では最も際どいニアミスらしい▼明天黎明前,一颗相当于中等楼房大小的小行星将掠地球而过。
一位西班牙观测者发现了它,并已跟踪了1年,名字是临时符号2012DA14。
最接近地球是在日本时间4时24分,从同步卫星轨道的的最内侧通过。
如此规模的邂逅,这在观测史上是最为千钧一发的了。
▼命中コースから、地球二つ分それる気まぐれに感謝したい。
天声人语

《天声人语》品读《天声人语》是日本大报朝日新闻的著名专栏文章,担纲此专栏的都是资深报人,被称为“天人”。
作者隔几年会进行调换,但在同一时期基本由一人或二人主笔。
由于个人风格的不同,有的用词浅显易懂,读起来流畅轻松;也有的偏好文辞雅语,逼着你承认自己才疏学浅。
但是,有一个不变的总风格就是,对为政者吝啬褒词,对普通百姓充满温情,对社会问题感触敏锐,对大自然敬畏与讴歌……《天声人语》的文章因其短小精悍,所以浓缩度很高,需要有丰富的背景知识和对日本人表述习惯的把握,才能补出那些被省略掉的部分,应该说做到这点并不容易。
如果能将《天声人语》不费力地读懂,读其他的文章也应当没有太大的困难。
有鉴于市面上能帮助读解的好教材太少,我们就借用《天声人语》的范文来创建这样一个公益读解栏目,通过对《天声人语》的文章解读,一方面提高业余日语学习者的读解能力,同时也达到多方面了解日本的目的。
《天声人语品读》所采用的“结构分析法”是一种全新的读解训练方法。
邓小平曾经说过“无论是白猫黑猫,能抓住老鼠就是好猫”。
既然结构分析法已经在“公益彩虹日语”的教学实践中被证明能“逮鼠”,希望这种新方法能让更多的日语学习者受益。
当然,没有一种方法是万能的,如果对基本的语法术语都没有了解,就不适合于语法分析的学习法。
结构分析法要求读到每一个句号为止,然后把所有的语法点都落实到位,先不管中文通顺不通顺,只对应结构层次去把握。
因此在文章的句子分析部分,译文未必完全符合中文习惯,但在最后的统译中会按照中文习惯进行调整。
这也可以兼顾那些不懂日语但对《天声人语》感兴趣的读者的需求。
更多日语学习内容,可登陆上海徐汇区图书馆“彩虹日语”板块自行下载、学习。
上海徐汇区图书馆“彩虹日语”/news/Landscape.aspx?typeid=60。
日语学习资料:天声人语之日银易主白川黑田

日语学习资料:天声人语之日银易主白川黑田《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
对于日语学习者,阅读和翻译它,无疑是了解日本、提高自己日语水平的大好方法。
男子は金メダルが遠く、女子は体罰に揺れる柔道界。
わずかに変わらぬのは有段を示す黒帯の重さぐらいか。
初心者は白を黒にしようと道場に通う。
さてこちらの「白から黒へ」を祝うのは誰だろう在男子项目与金牌距离甚远,女子队又因体罚丑闻岌岌可危的柔道界,丝毫不变的或许只有显示段位级别的黑带所含有的份量了吧。
初学者坚持去道场训练,为的是将白带提升为黑带,那么,今天我们在此祝贺“由白转黑”的对象又将是谁呢?▼日銀の新体制が国会で承認され、白川方明(まさあき)総裁(63)の後には財務省OBの黒田東彦(はるひこ)氏(68)が就く。
新旧の総裁は、福岡の出身で東大卒、お名前の読みが難しいなど共通点が多い。
だが、金融界の景色は一変しそうだ▼日本银行的新班子得到了国会的承认,白川方明(63岁)之后,由财务省OB黑田东彦先生(68岁)继任总裁职位。
这新老两位总裁身上具有不少共同点,他们都出身于福冈县且同毕业于东京大学,姓名里都有非同一般的难读之处。
然而,金融界的景象却将因此而大变。
▼さらさら流れる白い川から、どろり濁った黒い田へ……ではない。
目下の難局には、政府の意思を市場に分からせる腕っ節が要るらしい。
政治が見込んだ黒い田んぼに、黄金(こがね)の穂が実る日が待たれる▼这倒并不是从哗啦哗啦流淌着的白川改变成凝重浑浊的黑田……。
面对当前的困难局面,需要有一个让市场充份理解政府意图的铁腕人物。
我们期待着在这块政治所看好的黑色田野里结出金黄色的稻穗。
▼安倍首相の注文は、思い切った金融緩和と年2%のインフレ目標、すなわち、アベノミクスの忠実な先兵になることだ。
白川氏は渋々従ってきた印象だが、黒田氏はもう首相と一心同体の風で、目標達成のめどは「2年ぐらい」と踏み込んだ▼安倍首相想要的就是一个能够实现其制定的放宽金融和年2%通胀目标,即安倍经济模式的忠诚急先锋。
日语学习资料:天声人语之山雀虽小深明大爱

日语学习资料:天声人语之山雀虽小深明大爱关键字:日语学习资料:天声人语,日语学习资料《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
对于日语学习者,阅读和翻译它,无疑是了解日本、提高自己日语水平的大好方法。
小鳥の情愛はなかなか深い。
例えばシジュウカラは、雛(ひな)を天敵から守るため、鳴き声を使い分けているらしい。
立教大院生の鈴木俊貴さん(27)が、21組の親子の実験で突き止めた。
小鸟的感情是很深厚的。
例如白脸山雀,为了保护雏鸟不受天敌的伤害,据说可以发出不同的叫声。
立教大学研究生铃木俊贵先生(27岁),通过21组山雀亲子间的试验对此进行了彻底的研究。
▼剥製(はくせい)のカラスを巣箱に近づける。
親は外からチカチカと鳴いて知らせ、雛はカラスのくちばしが届かない底に身を潜めた。
次は透明の箱に入れたヘビ。
親の声はジャジャと濁り、雛たちはまとめて丸のみされぬよう巣を飛び出したという。
まさか「地下地下」「蛇蛇(ジャジャ)」ではなかろうが、弱者なりの知恵に驚く。
把做成标本的乌鸦靠近山雀巢,山雀妈妈在外面“qikaqika”地警告,雏鸟便把身子缩到乌鸦的嘴探不到的巢底。
接下来是放在透明箱子里的蛇。
山雀妈妈这次发出浑浊的“jaja”声,据说雏鸟为了不被蛇吞掉,便聚在一起飞出了鸟巢。
山雀妈妈的鸣叫声不正像“地下地下”“蛇蛇”,着实惊叹于弱者的智慧。
▼どの子も救おうと声をからす親と、けなげに聞き分ける子。
金子みすゞの「雀(すずめ)のかあさん」がチクリとくる。
〈子供が子雀つかまへた。
その子のかあさん笑つてた。
雀のかあさんそれみてた。
お屋根で鳴かずにそれ見てた。
为了救下所有的孩子而叫哑嗓子的父母,明确地听出警告声不同的雏鸟。
让我突然想起了金子美玲的《麻雀妈妈》。
“孩子抓了小麻雀。
孩子的母亲笑起来。
麻雀的妈妈看见了。
默默停在屋顶望。
”▼そのスズメに一人っ子が増えているという。
こちらは岩手医科大などの研究だ。
天声人语作品翻译

原文第1节:かつてご紹介した詩をふと思い浮かべた。
〈戦死やあわれ/兵隊の死ぬるやあわれ/遠い他国でひょんと死ぬるや/だまってだれもいないところで/ひょんと死ぬるや……〉。
胸を絞るような詩を残して、竹内浩三は終戦の年にフィリピンで戦死した突然想起了曾经谈到过的一首诗。
“独自战死,悲伤之事。
全军覆没,亦无欢娱。
远离家国,默默死去。
杳无生息,无人知晓。
默默死去······”竹内浩三留下这首绞痛心扉的诗后,在停战那年,战死于菲律宾。
原文第3节:そうして多くの遺骨が今も残るフィリピンで、厚労省による遺骨収集のずさんさが明るみに出た。
女性や子どもも含め、日本兵ではないと見られる骨が多数混じっていたという。
関連はともかく、近年墓荒らしが相次いでいたと聞けば、胸のふさぐ遺族は多かろう并且,还有很多的遗骨至今仍留在菲律宾,由此可以看出厚生省的遗骨收集工作是多么的不细致。
据说,也包括女人和孩子在内,有很多并不是日本兵的遗骨混杂其中。
姑且不论这之间有没有什么联系,单是听到近些年连续发生坟墓破坏事件,就会有很多死难者家属悲伤不已吧。
原文第5节:墓から暴かれた骨も泣いていよう。
しっかり鑑定して、こちらも戻すべきは祖国に戻すべきだ。
そもそも海外での遺骨の収集は、他国を戦場にした歴史に根ざす。
戦没者を悼みつつ、そこは胸に畳まねばならない那些被从坟墓里挖出来的骸骨也许也在哭泣吧。
在好好的确认之后,我们也需要把那些应该接回祖国的遗骨安置回来。
原本在海外收集遗骨,就是因为我们有过侵略别国的历史。
我们在悼念战死者的同时,也必须把那可耻的历史铭记于心。
原文第6节:婚約者を沖縄戦で亡くした随筆家、故岡部伊都子さんの一文が浮かぶ。
「骨にも幸、不幸のあることを生きているものの幸、不幸と同じように感じてしまう」と。
この誠実が関係者に欲しい。
想起了因冲绳之战失去未婚夫的随笔作家、故冈部伊都子的一句话。
日语学习资料:天声人语之姑娘斗士重获新生

日语学习资料:天声人语之姑娘斗士重获新生《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
对于日语学习者,阅读和翻译它,无疑是了解日本、提高自己日语水平的大好方法。
命に軽重はないけれど、喪失感の大きい訃報(ふほう)が続いた。
才を惜しむ言葉を連ねつつ、神も仏もあるものかと嘆くばかりの小欄だが、ようやく神仏の存在を感じている。
この子を死なせるわけにいかない生命虽无轻重之分,可最近失落感颇大的讣告却接连不断。
敝栏目亦是满腔悲怨,怜才惜能之话语连篇累牍,难道就没有保佑我们的神道与佛家了吗?好容易让我们感觉到了神佛的存在,如论如何也不能让这个孩子就这么死去。
▼「女性にも教育を」と訴え、武装集団に襲われたパキスタンのマララ・ユスフザイさん(15)が、肉声のコメントを出すまでに回復した。
銃撃から4カ月。
砕けた頭蓋骨(ずがいこつ)の穴はチタンの板で覆われ、耳には聴力を取り戻す器具が埋め込まれた▼就是这位呼吁“女性也要接受教育”,并遭到武装集团枪击的巴基斯坦女孩马拉拉・尤素芙扎伊,现在已经恢复到可以出声讲话的程度了。
遭枪击至今已经4个月,被击碎的头盖骨上的枪眼用钛合金板覆盖,耳中还植入了一个恢复听力的装置。
▼心にも鉄の衣を着せ、命がけで闘う決意とみえる。
生死の境をさまよって、なお「神に授かった新たな命は、人助けに捧げたい」と気丈に語る姿は胸を打つ。
ノーベル平和賞の候補とされるのも道理だろう▼心理上也穿上了一件钢铁的铠甲,显示出了豁出性命也要斗争到底的决心。
令人感动的是,即使徘徊于生死边缘,可忍然气宇轩昂,“我要把上帝赐于我的新生命,奉献给需要帮助的人”。
难怪被定为诺贝尔和平奖候选人,有她的道理。
▼彼女の信念はとりわけ、同世代の女性に響いたようだ。
鳥取の高校生(18)は、大阪本社版の声欄に「学ぶ意味、マララさんに知る」を寄せた。
「教育を受ける権利が保障され、勉強ができることにもっと感謝しなければ。
- 1、下载文档前请自行甄别文档内容的完整性,平台不提供额外的编辑、内容补充、找答案等附加服务。
- 2、"仅部分预览"的文档,不可在线预览部分如存在完整性等问题,可反馈申请退款(可完整预览的文档不适用该条件!)。
- 3、如文档侵犯您的权益,请联系客服反馈,我们会尽快为您处理(人工客服工作时间:9:00-18:30)。
天声人语(2015年12月)(天声人語)話が通じなかった1年落語の「粗忽(そこつ)長屋」は奇妙な噺(はなし)だ。
十八番(おはこ)にしていた五代目柳家小さんに言わせれば、八五郎は気が短くてそそっかしい。
兄弟分の熊五郎は気が長くてそそっかしい。
この2人が繰り広げる不条理劇である▼浅草の観音様からの帰り、八五郎は行き倒れに出くわし、「熊の野郎だ」と思い込む。
しかも「当人」を連れてきて身元確認させると言い出す。
荒唐無稽だ。
「おめえ、昨夜(ゆんべ)死んでるよ」。
八にそう言われ、熊も次第にそんな気になる。
そして2人で遺体を引き取りに……▼長屋にいるのに路上にもいる。
生きているのに死んでいる。
明白な矛盾が見えない2人。
当然、町内の世話役たちとは話が全く通じない。
不気味といえば不気味な世界を、抱腹絶倒の一席に仕立てるのだから、落語という芸術は奥深い▼話が全く通じないといえば、今年1年の日本もそうだった。
安保法制をめぐる違憲合憲の論争は交わらなかった。
米軍基地の移設問題をめぐる沖縄県と官邸との対立も同様だ。
粗忽者がいるのかいないのか、言葉の通い路が失われていた▼落語に戻れば、熊五郎は最後、「自分の」遺体を持ち帰ろうと抱きかかえる。
訳がわからなくなってくる。
「抱かれてんのは確かに俺だが、抱いてる俺は一体誰だ……」というのが、この噺の下げである▼やっと矛盾に気づく瞬間。
藤山直樹著『落語の国の精神分析』によれば、「人間という考える葦(あし)が再び芽ぶく瞬間」だ。
年が改まる。
葦が芽ぶき、少しは話が通じるようにと願う。
(天声人語)師走の言葉から:朝日新聞デジタル今年の漢字に「安」が選ばれたことに何を思うか。
異論反論を含め、人それぞれの感慨が語られた、師走の言葉から▼安保関連法は海外からも注目を集めた。
米国の著名な憲法学者ブルース・アッカマンさんは、安倍政権が日本国憲法の原則を壊すなら、米国世論の支持を失うと予想する。
「米国にとって日本のリベラル民主主義への忠誠こそが戦後日米関係の基礎だったからだ」▼温暖化対策の国際会議COP(コップ)21が「パリ協定」を採択。
議長を務めたファビウス仏外相は、合意づくりの勘どころをおさえていた。
「すべての国が百%を要求すれば、結局は全員が0%しか得られない」▼指揮者でピアニストのダニエル・バレンボイムさんは、ユダヤ人としてベルリンに拠点を置く。
他民族を排斥する「国粋」的発想の危うさを説き、「本物の自信と誇りは、他者との比較からは決して育ちません」と語る▼夫婦同姓制度を合憲とした最高裁判決を、元最高裁判事の泉徳治さんが批判した。
「少数者の人権を守ることができるのは裁判所しかないのです」。
結婚後も旧姓のままでいたいという女性はまだ少数派であり、多数決原理に立つ国会には法改正を期待しにくいからだ▼多くの人を失明から救い、ノーベル医学生理学賞に輝いた大村智さんは、ストックホルムでの授賞式後に語った。
「薬が実際に使えるようになるには何百人、何千人がかかわっている。
実際はみんなで表彰されなくてはいけないと思う」。
謙虚な姿勢がまぶしい。
(天声人語)巨大グラブで夢をつかむ:朝日新聞デジタル奈良の東大寺のホームページを開き、創建期の歴史を読む。
聖武天皇は大仏を造るにあたって、広く国民に呼びかけたと書かれている。
賛同してくれるなら、「一枝の草、ひとつかみの土」を持ち寄って欲しい、と▼ふつうの人々の協力とつながりで大きな事業を成し遂げる。
この聖武の考えと、自分たちの志が一致した。
奈良県大和郡山市で野球のグラブ工房を営む梅原伸宏さん(51)は、そう考えている。
26日、大仏の右手に合わせた高さ3・6メートルの巨大なグラブを東大寺に奉納した▼東日本大震災後、用具を失った被災地の球児らにグラブやボールを届ける活動を続けてきた。
本業を通じ、野球部を指導する先生方の知己が各地に多かった。
これを生かし、中古グラブなどの寄付を募った。
プロ球団からの寄贈もあった▼去年、被災地の中学の先生から相談を受けた。
まだ仮設住宅から通学する子も多いのに震災の記憶は風化しつつある。
何かできないか。
ならばと、「大仏グラブ」のプロジェクトをスタートさせた▼材料の牛革を野球少年らが一針一針縫っていく。
参加者は2千人以上に。
慰霊と復興祈願の法要を重ねる東大寺も協力を惜しまなかった。
「一枝の草……」の現代版と理解されたのでは、と梅原さんは言う▼グラブは来年1月9日まで大仏殿に置かれ、3月11日からは福島県いわき市で展示される。
「みんな、大仏グラブで夢をつかもう」。
そこには同時に「震災を忘れないで」というメッセージも込められている。
(天声人語)冬の月に誘われて:朝日新聞デジタル冬の月は季節はずれで、見上げる人もないと徒然草にある。
確かに月見といえば秋。
もっとも兼好法師はこうも書く。
「もののあはれは秋」と人はいうけれど、冬の景色もまた決して秋に劣らない、と▼先日のクリスマスはどうだったろうか。
今年最後の満月となった。
25日の夜に満月が見られたのは実に38年ぶりという。
次回は2034年というから貴重だった。
季節はずれなどと背を向けず、天空を仰ぎ見た方も多かっただろう▼当方あいにく機を逸したので、一日遅れの対面を試みた。
凜(りん)として美しかった。
満月だけを見ればいいというものではないとは、これまた徒然草の名高い一節。
李白の「静夜思(せいやし)」も浮かぶ。
寝台の前にさす月光を見て、地上におりた霜かと疑う名詩だ▼寒月に誘われ、『月の魔力』という、やや古い本を手に取った。
米国の医学博士の研究で、潮の干満を起こす月の引力が人の行動や感情にも影響するという。
例えば満月の頃は人の攻撃性が増し、暴行事件が多発する。
本当なら驚きだ▼逆に半月の頃は緊張が解け、不注意による交通事故が多いという分析が日本にあるとも聞く。
新月、三日月、上弦の月……。
満ち欠けに連れ、謎めいた何らかの力を地上に及ぼしているのだろうか▼月への視線は様々だ。
大きすぎ熱すぎる太陽に比べ、月は何とつつましく清冽(せいれつ)で懐かしいか。
編集工学者の松岡正剛(せいごう)さんはそう見立て、月を擁護する。
「太陽は野暮(やぼ)、月は粋」と。
凍(い)てつく夜空にかかる月はまさに粋だ。
(天声人語)ビートルズとインターネット先頃亡くなった作詞家、岡本おさみさんの歌に「ビートルズが教えてくれた」がある。
うじうじと日陰で腕組みするより、「もっと陽気であっていいんじゃないか」、そう教わったと。
英国の元不良少年が作ったバンドは、音楽そして振る舞いを通じ、世界の若者に多様な影響を与えた▼解散後40年を超えるが、今も話題を提供し続ける。
今年は往年の映像をまとめた音楽ビデオ集が売り出され、ビデオの活用も彼らが先駆だったのだと印象づけた▼もっとも当時の主役はあくまでレコード。
音楽家は録音契約なしには出発点にも立てなかった。
ビートルズも苦労したが、彼らを認める人が業界にいて、何とか世に出た▼音楽をのせる媒体は刻々と変化している。
現在の主役はインターネットで、中でも定額料金で聴き放題になるサービスが伸びている。
ビートルズの曲は長く提供されていなかったが、24日から加わった。
英BBC放送は「イエスタデイ」すら知らない英国の若者たちを伝える。
ネットに背を向けて音楽ビジネスは成り立たないということか▼ネットは音楽の敵か味方か、そんな議論も起きている。
「演奏者に正当な対価が払われていない」との批判がある。
その結果良いものが生まれにくくなるのではないかと。
一方で無名の人が作品を公開する機会が増えるとの声もある▼形はどうあれ媒体は、才能を見つけ育てる場であってほしい。
世界を変える可能性を秘める音楽が、今もどこかで生まれていると信じるならば。
(天声人語)年の瀬の「忙と怒」年の瀬は師も走る忙しさ、などという。
だが「暮しの手帖」の名物編集長だった花森安治は言っていた。
「年末だから忙しいときめてかかるあたり、新聞や放送のアタマは、一見新しいようで、じつは大変な紋切型の古さかもしれぬ」▼忙しいから気が急(せ)くのか、気が急くから忙しいのか。
身はそれほどではなくても心は追われる。
「忙」の字は心を亡(ほろ)ぼすと書くから注意がいる。
いらいらや不機嫌で、感情制御の堤防は低くなりがちだ▼世間を眺めると、どうやら中高年の男性が、師走に限らずキレたり怒鳴ったりしがちなようだ。
バスで高齢男性に席を譲ろうとしたら暴言を吐かれた――。
中学生の声欄への投書に反響が相次いでいる▼慰める人。
同じ老人として恥ずかしいと謝る人。
人間を知るのにいい経験をしたと説く人。
ともあれ善意に怒気が返ってきたショックは、少年には大きかったに違いない▼木偏に冬と書くヒイラギを思い浮かべる。
その葉には鬼の目を刺すという鋭いトゲがある。
おもしろいことに、年輪を刻んで古木になるとトゲは自然に消えていくそうだ。
つまり角がとれて丸くなる。
あやかりたいが、人間、なかなかそうはいかないらしい▼喜怒哀楽の「怒」は大切な感情ながら、ぎすぎすと周囲の空気を凍りつかせてはいけない。
いらいらや不機嫌は伝染力が強く、忙(せわ)しなさは感情の沸点を下げがちだ。
さて当方も中高年の一人。
いつも追われているような時代だが、心はゆるやかに今年を締めようと思う。
(天声人語)両陛下と戦争の悲しみ:朝日新聞デジタル神奈川の三浦半島に「戦没船員の碑」がある。
戦時中、多くの民間船が軍に徴用されて敵に沈められた。
44年前、激しい雨の中での除幕式に、当時は皇太子ご夫妻だった天皇、皇后両陛下の姿があった▼美智子さまは歌を詠まれた。
〈かく濡(ぬ)れて遺族らと祈る更(さら)にさらにひたぬれて君ら逝(ゆ)き給(たま)ひしか〉。
父母や妻子の名を呼びながら海に消えた人々への、痛切な哀悼がにじむ。
同じ心痛を、天皇も分かち持たれていると知った▼82歳の誕生日を前に、民間の船員への思いを切々と述べられた。
「輸送船を守るべき軍艦などもない状況下でも輸送業務に携わらなければならなかった船員の気持ちを本当に痛ましく思います」。
犠牲者は6万人を超す▼戦後70年だった今年を、「様々な面で先の戦争のことを考えて過ごした1年」と振り返られた。
そして「先の戦争のことを十分に知り、考えを深めていくことが、日本の将来にとって極めて大切なことと思います」。
うなずいた方は多かろう▼両陛下は年明けに、先の戦争で激戦地となったフィリピンを訪問する。
その戦場で死線をさまよった作家の大岡昇平は今日が命日だ。
代表作の一つ『野火』の名高い一節が胸に浮かぶ。
「戦争を知らない人間は、半分は子供である」▼戦後生まれの「半分子供」が、人口の8割を占める時代になった。