9.14早7

１．自民党の総裁選挙が今日、告示され、安倍元総理大臣、石原幹事長、石破前政務調査会長、町村元官房長官、林政務調査会長代理の５人が立候補する見通しです。

谷垣総裁の後継を選ぶ自民党総裁選挙は、午前９時半から党本部で立候補の受け付けが行われます。

届け出のあと、５人は午前１１時から党本部で立会演説会を行い、立候補の決意を表明するとともに午後２時からは共同記者会見に臨むことになっています。

選挙戦では、次の衆議院選挙を通じて政権を奪還するためにどのような戦略を描くのかが最大の焦点で、立候補を断念した谷垣総裁の路線を受け継いで社会保障と税の一体改革を巡る３党合意を維持するのかや、次の衆議院選挙のあと、民主党や大阪市の橋下市長が率いる「日本維新の会」との協力関係をどうするのかなど、政権の枠組みを巡って論戦が交わされる見通しです。

また、総裁選挙の構図が固まる過程で派閥の会長が影響力を発揮する場面もみられたことから、党運営の中で派閥が果たす役割の是非についても意見が交わされるものとみられます。

総裁選挙は、自民党会派に所属し党籍を持つ国会議員が１人１票ずつ持つ「国会議員票」１９９票と、全国のおよそ７９万人の党員などの投票に基づいて配分先が決まる「地方票」３００票の、合わせて４９９票で争われ、今月２６日に国会議員による投票が行われ、党員投票と合わせて結果が発表されます。

党内では、５人が立候補したことで、１回目の投票ではいずれの候補者も過半数を獲得できず、上位２人の候補者による決選投票にもつれ込むという見方が大勢になっています。

２．民主党の代表選挙は、消費税率の引き上げに伴う低所得者対策が争点の一つとなっていて、野田総理大臣が所得に応じて給付や控除を行う「給付付き税額控除」を基本とすべきだとしているのに対し、他の候補からは食料品などの税率を低く抑える「複数税率」の導入を求める意見などが出ています。

民主党の代表選挙は、再選を目指す野田総理大臣と、赤松元農林水産大臣、原口元総務大臣、鹿野前農林水産大臣の４人が立候補して、各地で党主催の立会演説会が行われるなど論戦が本格化しています。

こうしたなかで、これまでの立会演説会や討論会で消費税率の引き上げ法が成立したことに伴って、負担が重くなる低所得者対策として、所得に応じて給付や所得税の控除を行う「給付付き税額控除」や、食料品などの税率を低く抑える「複数税率」の導入が検討されていて選挙戦でも争点の一つになっています。

これについて、野田氏は「民主党は『給付付き税額控除』で議論をまとめてきたはずで、これを基本にすべきではないか」と述べ、「給付付き税額控除」を基本とすべきだという考えを示しています。

これに対して、赤松氏は「所得の低い人たちや中小企業のために『軽減税率』が分かりやすく簡単だ。

導入すべきだ」と述べました。

原口氏は「選挙のときに言っていないことをやれば、マニフェストが信頼されなくなる」などと述べ消費税率引き上げの前に行財政改革を徹底すべきだと訴えました。

鹿野氏は「『軽減税率』について具体的に検討するのがいいのではないか。

ヨーロッパではかなり導入している国もある」と述べ、「複数税率」の導入を求めました。

３．大阪市の橋下市長が代表となる、新党「日本維新の会」は、次の衆議院選挙の候補者の擁立に向けて、政治塾の塾生や、政治・行政の経験者などに対象を絞った、第１次公募をスタートさせました。

「日本維新の会」は、おとといのパーティーでの橋下市長の結成宣言を受けて、次の衆議院選挙の候補者の擁立に向けた取り組みを本格化させています。

そして、大阪維新の会のホームページ上で、およそ９００人の「維新政治塾」の塾生、現職の国会議員や地方議員、またはその経験者、自治体の長や公務員などに対象を絞った、候補者の第１次公募をスタートさせました。

応募にあたっては、基本政策「維新八策」に完全に賛同することなどを条件にしていて、統治機構の見直しなどを柱とする「維新八策」についてのアンケートや、立候補する場合に、現在所属している政党などを離れることを盛り込んだ誓約書の提出を求めています。

一方、橋下氏は、昨日、政府が憲法解釈上、許されないとしている、集団的自衛権の行使について、「権利があるのに行使がないのはありえない」と述べ、基本的に行使を容認すべきだという考えを示しました。

橋下氏としては、新たな国政政党の結成を宣言したのを機に、今後は外交や安全保障などについても、新党の代表としての考え方を積極的に発信していくものとみられます。

４．政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化したことに、中国国内で反発が広がるなか、上海では飲食店で食事をとっていた日本人が、中国人に言いがかりをつけられて暴行を受け、けがをしたなどという報告が相次いでいます。

これは、上海の日本総領事館が昨日、ホームページ上に掲載したものです。

この中では、上海市内で、飲食店で食事をとっていた日本人のグループが、中国人に言いがかりをつけられたうえ暴行を受けてけがをしたなどという報告が相次いでいるとしています。

これまでに尐なくとも４人がけがをしました。

日本総領事館は、滞在する日本人に注意を呼びかけています。

５．一方で、中国政府は、日本の尖閣諸島の国有化に対抗し、領有権の主張を一段と強める構えです。

中国農業省は昨日、ホームページ上で、尖閣諸島の周辺海域での権益について、漁業局の責任者の発言を掲載しました。

この中で漁業局の責任者は、尖閣諸島を含む東シナ海では、あさっての正午（日本時間の午後１時）に夏の休漁期間が終了するとしたうえで、「３か月の休漁を終え、多数の漁船が出港するだろう」と述べました。

そして、「中国の法律に基づいて、管轄海域の漁業を保護するため巡視を常態化し、断固として海洋権益を守る」と述べ、漁業監視船の航行を増やし、日本の国有化に対抗して領有権の主張を一段と強める構えを強調しました。

そして、先ほど入ってきたニュースですが、海上保安庁によりますと、今日午前5時ごろ、沖縄県の尖閣諸島沖で中国の国家海洋局所属の船、海監２隻が日本の領海のすぐ外側にある、接続水域に入ったのを確認したということです。

海上保安庁は日本の領海に入る恐れがあるとして、巡視船から無線などを通じて、領海に近づかないよう呼びかけています。

６．アメリカの中央銀行に当たるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会は、金融政策で追加の対応をしなければアメリカの雇用改善や景気回復は見込めないとして、住宅ローンを担保にした証券を月に４００億ドル規模で買い入れる追加の金融緩和、いわゆる量的緩和におよそ２年ぶりに踏み切ることを決めました。

ＦＲＢは１３日、金融政策を決める公開市場委員会を終え、声明を発表しました。

この中で、アメリカ経済について「追加的な対応を取らなければ雇用の改善につながる景気回復は見込めない」として、追加の金融緩和に踏み切ることを決めました。

具体的には、住宅ローンを担保にした証券を月に４００億ドル（日本円で３兆１０００億円）規模で買い入れることにしています。

これにより、ＦＲＢは金融市場に大量の資金を供給し、金利の低下や投資などを促し、金利低下を通じて特に住宅市場の活性化も図る考えです。

ＦＲＢが、こうした資産の買い入れ、いわゆる量的緩和に踏み切るのはおよそ２年ぶりで、リーマンショック後の金融危機以降では３回目です。

ＦＲＢは、雇用が十分に改善するまではこの政策を続ける方針を示し、買い入れには期限を定めず、必要に応じてさらに追加の対応もとるとしています。

また、いまの事実上のゼロ金利政策について、再来年２０１４年の遅い時期まで続けるという方針を２０１５年半ばまで延長して、金利を低く抑え景気を下支えしていくことにしています。

７．去年３月の原発事故の直後、住民を除染するかどうか判断するための基準の値が、一時的に緩和されましたが、原子力安全委員会が事故から３か月後に以前の値に戻すよう助言の検討を始めたところ、国の現地対策本部などから反対があり、助言を出すのがさらに３か月、先送りされていたことが分かりました。

福島第一原発の事故直後、警戒区域から避難する住民は放射性物質に汚染されていないか検査を受け、基準の値を超えた場合、除染することになっていますが、事故で周辺の放射線量が高まり基準超えが相次いだことから、国の現地対策本部が基準を緩和しました。

ところが、この基準を巡り、去年５月下旬に原子力安全委員会が「緩和した状態が長く続くと汚染を拡大するおそれがある」として、以前の値に戻すよう助言の検討を始めたところ、国の現地対策本部や福島県から反対意見が出され、助言を出すのが３か月、先送りされたことがＮＨＫが入手した当時のやり取りなどを記録した文書から分かりました。

やり取りには、「基準を厳しくすると除染の必要な車が大量に発生する」とか、「除染施設が尐なく、基準を超えたものは除染できずに持ち出せなくなる」などがあり、当時、現地の対策本部長を務めた経済産業省の田嶋政務官からは「依頼者の意向に沿った助言を願う」などの意見が出されていました。

原子力安全委員会などによりますと、去年４月下旬以降、検査でもとの基準を超えるケースはほとんど出ていなかったということで、結果的に大きな影響はなかったとみられますが、専門的な立場からの助言を現場の実情と合わせながらどう生かすのか、近く発足する原子力規制委員会にとっても大きな課題になります。

８．女子ゴルフの海外メジャー大会の今シーズン最終戦、全英女子オープン選手権は１３日、第１ラウンドが行われ、宮里藍選手と宮里美香選手が、共に１アンダーで首位と１打差の３位と好スタートを切りました。

２アンダーで回ったカン・ヘジ選手など韓国の２人の選手がトップで並んでいます。