経済不况と政治政策-日文版

経済不況と政策zbyはじめに（１）,経済とは、社会の生産活動を調整するシステム、あるいはその生産活動のことである。

世の中にある資源は有限であり、希尐性を有する。

社会においてはさまざまな財が生産され、交換・分配などのプロセスを経て消費されるが、資源の希尐性ゆえ要求されるすべての商品が供給できるとは限らない。

経済はそれらの要求に応じて供給を決定し、実行するシステムである。

(2),政治とは広い意味において人々が生活する上で従うルール、支配、統治を創造し、維持し、修正し、また破壊することを通じて行われる活動である。

（３）、定義からみると,両者には微妙な関係が存在する。

現在の政治は腐っているといわている。

2008年から世界が金融危機に襲われ、大不況になった。

雇用悪化、就職率低下、赤字業界拡大など人々は不安な心境で生活している。

国民は経済がよくなることを期待している。

しかし、神様が現れない、経済が自分は回復しない、どうするか？ここで政府（政治）が経済を助けてきた。

各国の政府が不景気に対して、多様な景気対策を打ち出した。

それで景気に尐し効果が出た。

今の状況で、いくら政治が嫌いでも一致団結しないと、大不況から脱出できないだろう。

だから国民は政府に協力し、共同対敵、一刻も早く大不況から脱出することが、現在世界における第一の課題だろう。

そこで、本研究では中日両国の政策及び効果を比較し、政策続けるべきかどうかについて考察することを目的とした。

一、先行研究＜金融危機の起源＞現在の不況の元々の問題は不動産バブルとこれに関連した広範囲の金融商品のバブルにあった。

世界中の金融機関があっという間（６ヶ月位の間）に莫大な不良債権を抱えてしまったのが直接の原因だ。

ベアスターンズとかリーマンといった証券会社が、このサブプライムローン証書を細切れにして他の債権（国債とかIBMの社債とか）と組み合わせ、S&Pのような格付け会社（注１）からAAAの格付けをもらい、これを金余りで運用に困っていた世界中の金融機関に売りつけた。

特に欧州系の金融機関が大量に買い込んだ。

それが不良債権になって、バブルが始まった。

ここで「バブル」とは、長期的に維持できない資産価格の高騰というほどの意味だ。

前FRB（連邦準備（制度）理事会）議長グリーンスパンは、バブルはその場ではそれがバブルだとは判断できず、大きく価格が下落してはじめてバブルと分かるものだと言っていた。

資産価格の大幅な下落を既に見ているのだから、バブルの事実認識について異論はないだろう。

バブルがいったん出来てしまうと、これを無事に解消することは極めて難しい。

その状況が分かった瞬間に、バブルの対象資産の保有者はこれを売り逃げしようとする。

バブルが大きく膨らんだ後に、これをゆっくりと時間を掛けて処理できたケースはほとんどない。

三、研究課題＜中、日両国の政策及びその効果＞１．日本政府の政策とその効果まず、２００９年に日本政府が金融危機を対応するために、どのようなの政策を打ち出したか、及びその効果を挙げてみる。

（１）エコポイント政策エコポイントは環境省が推進している事業であり、「エコ・アクション・ポイント」の略称である。

エコ・アクション・ポイントとは、消費者による温暖化対策型の商品・サービスの購入や省エネ行動に経済的インセンティブ（incentive）を付与することにより誘導する仕組みである。

「エコポイント制度」には、2946億円の予算が計上された。

この政策は麻生政権の眼玉となる経済政策である。

しかし鳩山政権も続けて実施すると宣言した。

なぜ前政権と違う道を歩いているのに前政権の眼玉政策を続けて実施するのか。

表１のように2009年５月以降、薄型テレビの出荷台数が急増している。

足元の水準は年率1,470万台である。

主因はエコポイント制度の施行（図表２）である。

薄型テレビの需要増だけで、７～９月期の実質個人消費を年率0.7％、実質ＧＤＰを0.4％押し上げた。

２００９年度中はエコポイント制度が続くため、薄型テレビ販売は高水準で推移する公算が大であり、2009年度の薄型テレビ販売は1,410万台に達した。

これにより、2009年度の実質個人消費は0.4％、実質ＧＤＰは0.2％押し上げられた。

その効果は言うまでもなく非常によいと思われる。

（２）エコカー政策①エコカー補助金政策：エコカー補助金は、環境対応車の購入の際に一定額を補助する制度で、車齢13年以上の車の廃車を伴う場合は乗用車（登録車）で25万円の補助、伴わない場合は乗用車（登録車）で10万円の補助を受けることができるという政策である。

②エコカー減税政策：エコカー減税とは環境対応車普及促進税制のことで、ハイブリッド車や電気自動車、燃費の良い小型車などの環境対応車を購入する人への優遇税制のことである。

たとえば、ホンダインサイトやトヨタプリウスなどのハイブリッドカーなら10万円以上、ガソリン車でもモデルにより5万円以上が減税される。

③減税率別シェアからエコカー減税・補助金効果を見る。

減税率別に、見積シェアを比較すると（図表３）のようになる。

最も恩恵を受けたのは100%減税対象車種（特にプリウス、インサイトに代表されるハイブリッド車）であり、シェアを4.5％から18.6％に大きく伸ばした。

これは、売り上げが好調であったトヨタプリウスの影響だけではなくで、前年同時期には発売されていなかったホンダインサイトや、トヨタエスティマハイブリッドなどの新型車の影響が大きいと考えられる。

対して、減税対象になっていない車種のシェアが43.7％から30.1％へ大きく下がった。

一方、75％減税対象車や、50％減税対象車のシェアには、全体としてみると大きな変化は見られなかった。

図表３：減税率別新車見積シェアの比較④車種別の見積シェアからエコカー減税・補助金効果を見る2009年4～6月の見積シェアの上位８車種に関して、前年同期の見積シェアと比較した（図表４）。

見積シェア上位８車種は全て減税もしく補助金対象車種であった。

車種別に見るとトヨタプリウス、ホンダインサイトの好調はよく知られているとおりだが、これ以外の車種では、ホンダフリード、トヨタウィッシュ、スズキワゴンRの健闘が目立った。

トヨタウィッシュは、2009年4月のモデルチェンジの影響を受けてシェアが伸びている可能性があるが、ホンダフリードは2008年5月の発売であるのにも関わらず、大きくシェアを伸ばしている点で特筆される。

また、スズキワゴンRやアルトラパンなど、軽自動車の人気も上昇していると考えられる。

図表４：2009年4～6月の見積シェア上位20車種における前年同期との比較以上からみるとエコカー制度は非常に効果がよいと考えられる。

２．中国政府の経済政策とその効果家電下郷家電下郷とは、農村部の家電普及率上昇を促進するために、指定された機種について13%の補助金を出すという政策である。

２００７年１２月２５日中国商務部と財政部が山东省、河南省、四川省で試験的に実施したうえ、２００９年２月に全国で開始された。

対象となる製品はテレビやエアコン、洗濯機、電子レンジ、PC、携帯電話などである。

製品ごとに販売価格の上限が設定されており、対象となる機種は入札を募集するによって決められる。

家電下郷の対象製品の中では、冷蔵庫と洗濯機、テレビが特に売れているようだ。

世帯普及率は冷蔵庫・洗濯機とも中国の都市部では100%近いのに対して、農村部ではそれぞれ26%、46%にとどまっている。

２００７年１２月から２００８年１０月まで農村の家電出荷数は３５０万台で増加率が４０％に到達した。

出荷の合計金額は５０億元（１元＝１４円と計算すると７００億円）となる。

２００９年１１月までの全国家電出荷数は合計３０６１万台である、金額では５６０億元（７８４０億円）になる。

１２月までの全国家電出荷数は３１１３万台で、金額は５８０億元（８１２０億円）である。

以上の数字から見ると、家電下郷政策の効果はとてもよいと思われる。

四、経済政策のデメリット（１）エコポイント政策は液晶TVによい影響を与えた。

しかし考え方を変えて考えてみると次のような問題がある。

２０１０年度以降は政策効果の剥落によるマイナス影響が現れる見通し。

たとえば２００９年度末でエコポイント制度が終わり、需要が元の水準に戻るとすれば、2010年度のテレビ需要は2009年度に比べ450万台減尐することに（図表５）。

さらに、減尐幅は一段と拡大する可能性も。

過去10年間のテレビ出荷台数が、景気変動にかかわらずほぼ横ばいであったことを踏まえれば、足元の販売増は「需要の先食い」の公算が大きい。

２００９年度のエコポイント制度を主因とする需要の上振れ分が、2010年度に需要の反動減として顕現化する可能性が大きい。

この反動減を織り込んで試算すれば、2010年度のテレビ需要は2009年度比半減する。

だがら、短時間で経済を回復する政策はあまり良くないと考えられる。

（２）家電下郷が消費の拡大を引きだしだ、電気業界の利益が膨大し、農村の人の電気生活をレベルアップさせた。

しかし、政府の資金はどこまでこの政策を維持できるかが問題だ。

他方、農村の家電普及率が上がるとともに、家電の出荷数が減るだろう。

（図表５）テレビ日本国内出荷台数の試算五、おわりに本稿では、経済不況と政策の流れを明らかにし、政策の効果とデメリットを挙げた。

今後、経済政策の弱点を克服する長期・安定な景気対策を考えていかなければならない。

注１、格付け機関（かくつけきかん）とは、債券などの元本および利息を、発行体（企業、政府、自治体など）が償還まで予定通り支払えるかどうかの見通しを、簡単な記号で評価する機関。

格付け会社（かくつけがいしゃ）とも言う。

格付け機関は、発行体からの依頼により、経営陣とのミーティング、財務分析、業界分析などを行い、その発行体の信用度をある一定の基準に基づいて、「Aaa」「AAA」などの記号で評価する。

この「Aaa」「AAA」などと付けられた評価を信用格付けという。

この格付けは公表され、投資家が債券などへの投資を行なう際の参考データとなるほか、株価にも影響を与えることがある。

参考文献１）経済産業省ホームページ２）中国家電下郷信息管理系統ホームページ３）エコポイント事務局ホームページ４）社団法人、日本自動車販売協会連合会ホームページ。