日本近代文学概说

同じ時期幸田露伴も漢字の教養を元に『風流 仏』『五重塔』など伝統的な精神や恋の美しさを 描いた作品を発表し、人気を博した。紅葉と露 伴の二人が活躍したこの時代を紅露時代とい う。
『風流仏』では、恋愛至上主義と芸道への憧 風流仏』では、恋愛至上主義と芸道への憧 への れを夢想的 融合させた超現実的な世界を 夢想的に させた超現実的 れを夢想的に融合させた超現実的な世界を 描き出した。 した。 五重塔』では、芸術の永遠性と工芸に 『五重塔』では、芸術の永遠性と工芸に打ち 職人の 気質を迫力のある文章に のある文章 込む職人の高い気質を迫力のある文章に よって描いた。男性描写と理想主義的な よって描いた。男性描写と理想主義的な面 目立つ が目立つ。
翻訳小説、政治小説
明治維新後、文明開化の風潮の中で、様々な 啓蒙活動が見られたが、新しい文学の誕生に は至らず、しばらくは江戸戯作文学が受け継 がれていた。 日本文学は翻訳小説 翻訳小説や政治小説の流行に 翻訳小説 よって萌芽（ほうが）し、明治十年代から外国 文学の翻訳が盛んに行われるようになった。 翻訳小説は西洋の政治や思想、風俗を紹介 するためになされたもので、西洋に対する関 心が高まるにつれて反響を呼んだ。
啓蒙とは「蒙きを啓く」の意味で、鎖国政策 のために、世界情勢よりも三百年近く遅れ てしまった日本にとっては、まさに啓蒙と呼 ぶにふさわしい時期であった。
小説、評論
戯作文学：
江戸文学の影響が濃い、勧善懲悪、滑稽、風刺を特徴と した小説。 世の中は急激な欧化でわきたつものの、庶民の生活は まだ江戸時代の風俗を色濃く残していた。風俗を滑稽に 描く戯作文学が広く読まれ、名を持つ作家が活躍したほ か、仮名垣魯文（かながきろぶん）が『西洋道中膝栗毛』 や『安愚楽鍋（あぐらなべ）』を発表した。また成島柳北 （なるしまりゅうほく）『柳橋新誌』、服部撫松（はっとりぶ しょう）『東京新繁昌記』など、明治初期の急激な欧化の 世相を批判する作品も登場した。
『浮雲』の紹介
主人公内海文三（うつみぶんぞう）の免職を契 機に、功利的な叔母や軽薄なお勢は文三から 離れてゆく。社会からも恋愛からも疎外され、 自己の内面に閉ざされていく近代知識人の心 理が文言一致の新しい文体で描かれている。
硯友社
明治十八年（1885）尾崎紅葉、山田美妙、 石橋思案らは日本の最初の文学結社硯友 社を結成した。彼らは機関誌『我楽多文 庫』を発刊し、写実的傾向の作品が歓迎さ れ、文壇の中心勢力となった。
擬古典主義
維新以後の極端な欧化主義の反動で、維新以前の
日本文化を懐かしむ復古主義の風潮が生まれた。硯 友社のメンバたちは写実的な人間描写の中にも、西 鶴や近松など江戸文化の影響を感じさせる作品を発 表した。紅葉は雅俗折衷体を用いて『二人比丘尼色 懺』を著し、『伽羅枕』『三人妻』を発表し、『多情多恨』 で「である調」の文体を確立した。財力が力を振るう時 代の到来を敏感にとらえた『金色夜叉』において声望 をいよいよ高めた。
翻訳小説
当初は啓蒙的な性格が濃かったが、し だいに文学的意識も現れ、織田（丹羽） 純一郎（おだには）の訳の『花柳春話』 は少年の出世譚に恋愛を絡ませて大 いに歓迎された。
政治小説
政治小説は自由民権運動における政治 的啓蒙、宣伝を目的として展開された。 矢野龍渓（やのりゅうけい）の『渓国美 談』東海散士（とうかいさんし）の『佳人 の奇遇』の二つの小説を頂点に、創作 小説が続出した。
明治の女流文学の第一人者樋口一葉は 『うもれ木』を出世作に明治二十年代を代 表する作家となった。『大つごもり』で独自 の才能を開花させ、以後、写実性を増して、 貧しく虐げられた女性の怒りと悲しみを描 き続けた。
樋口一葉 明治女流作家の第１ 人者
二葉亭四迷
彼は逍遥の考えに共鳴し、さらに写実主義を唱 逍遥の えに共鳴し さらに写実主義を 共鳴 写実主義 える根拠 目的を明確にした 小説総論』 根拠と にした『 える根拠と目的を明確にした『小説総論』を発表 した。 したその理論 浮雲』 具体化した 理論を したその理論を『浮雲』に具体化した。近代文学 のスタートとなった。 のスタートとなった。 四迷は当時の不安な社会を 四迷は当時の不安な社会を写し出し、それぞ れの人物 正確や心理を かく描写して、 人物の 描写して れの人物の正確や心理を細かく描写して、近 代写実小説の先駆となった。 代写実小説の先駆となった。 となった
近代文学概説
１８６８年の明治改元から現在に 至るまでの一世紀あまりを近代 と呼ぶ。時代名で言えば、明治、 大正、昭和の三大にあたる。
明治文学の流れ
時代の 時代の把握
明治元年～明治４５年 １８６８年 １９１２年 明治元年～明治４５年（１８６８年～１９１２年） ４５
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慶応３年の大政奉還の後、朝廷の名の下に、 王政復古の大号令が出され、鎌倉幕府以 来約７００年続いた武家政治が終了、明治 時代が幕を開けた。明治初年から明治二十 年ごろまでを日本では広く啓蒙期と呼ぶ。
西洋の近代文学をふまえた日本の最初の 西洋の近代文学をふまえた日本の最初の小説論 をふまえた日本 小説神髄』 発表した した。 『小説神髄』を発表した。 この小説 小説は 作者が日本の伝統的な戯作文学と この小説は、作者が日本の伝統的な戯作文学と 西欧の しい小説 小説の いを探って、全九冊と 西欧の新しい小説の違いを探って、全九冊と書か れたものである。 れたものである。 小説の主脳は人情なり 世態風俗これに なり、 これに次 小説の主脳は人情なり、世態風俗これに次ぐ 勧善懲悪的な文学観を排斥し 勧善懲悪的な文学観を排斥し 文学の独自性を主張し 文学の独自性を主張し 写実主義を 写実主義を唱える
写実主義
さまざまな分野において、文化改良の気運 が高まる中、小説改良の最初の試みが坪 内逍遥によってなされた。彼は『小説神髄 小説神髄』 小説神髄 を著し、小説の方法としての写実を提唱し た。二葉亭四迷は『小説総論』を書いて逍 遥の考えを深化、発展させ、その理論を 『浮雲』で具体化した。
坪内逍遥