日语晨读

１、猟師りょうしと樵きこりある猟師りょうしが、ライオンらいおんの跡あとを追おいかけていた。

彼かれは、森もりで樵きこりに出会であうと、「ライオンらいおんの足跡あしあとを見みなかったか？」と訊たずねた。

すると樵きこりはこう答こたえた。

「よし、今いまから、ライオンらいおんのところへ連つれていってやろう」すると猟師りょうしは、真っ青になって、歯はをがたがた震ふるわせてこう答こたえた。

「いや、いいんだ。

私わたしの探さがしているのは、ライオンらいおんの足跡あしあとで、ライオンらいおんではない＾＾」２、海辺うみべを歩あるいている旅人たびびと海辺うみべを歩あるいていた旅人たびひとたちが、高たかい断崖だんがいに登のぼり海うみを見渡みわたした。

すると彼方かなたに大おおきな船ふねが見えた。

旅人たびひとたちは、船ふねが入港にゅうこうするのを一目見いちもくみようと待まつことにした。

しかし、船ふねが風ふうに流ながされ、岸きしに近ちかづくに従したがい、それは、単たんなる小船こぶねであることが分わかった。

それどころか、小船こぶねが浜はまに漂着ひょうちゃくした時ときには、木きの束たばとなっていた。

３、ミツバチみつばちとジュピタじゅぴたーある女王蜂じょおうばちが、ジュピタじゅぴたー神かみに、蜂蜜はちみつ（はちみつ）をプレゼントぷれぜんとしようと、オリンポスおりんぽすへと昇のぼって行いった。

蜂蜜はちみつを痛いたく気きに入ったジュピター神かみは、彼女かのじょの望のぞむものなら何なんでも与あたえると約束やくそくした。

そこで、彼女かのじょはこんな事ことをジュピタじゅぴたー神かみに乞こった。

「偉大いだいなるジュピター様さま。

私わたしは蜜みつを盗ぬすみに来きたる人間にんげんを殺ころせるように、針はりがほしいのです。

」 ジュピタじゅぴたー神かみは、人間にんげんをあいしていたので、そのお願ねがいを大変不快たいへんふかいに思ったが、約束やくそくは約束やくそくなので、彼女かのじょの望のぞみを断ことわることができなかった。

そこで、ジュピタじゅぴたー神かみは、彼女かのじょにこんなふうに応こたえた。

「おまえの望のぞみはかなえてやる。

だが、もし、おまえが、その針はりを使つかうならば、おまえ自身じしんの命いのちも危あやういものになるだろう。

おまえの刺さした針はりは、傷口きずぐちから抜ぬけることはない。

そして、その針はりを失うしなうとき、おまえは死しぬ」４、男おとこと彼かれのイヌいぬある男おとこが、田舎いなかの別荘べっそうに滞在たいざいしているときに、嵐あらしにあって足止あしどめを食くった。

彼かれは、家族かぞくの食卓しょくたくのために、まず最初さいしょに、羊ひつじ（ヒツジひつじ）を殺ころし、次つぎに山羊やぎ（ヤギやぎ）を殺ころした。

嵐あらしはそれでもおさまらず、つないであった牡牛おうし（ウシうし）も殺ころすことになった。

これを見みていた犬いぬたちは、みなで会議かいぎを開ひらき、そしてこんなふうに語かたり合あった。

「ここから出でて行いくときが来きたようだ。

ご主人様しゅじんさまときたら、大切たいせつなウシうしさえ食たべてしまうのだから、われわれ（我々われわれ）も無事ぶじで住すむはずがない」５、病気びょうきのトンビとんび（鳶とび）病気びょうきで死しにそうになった鳶とび（トンビとんび）が、母親ははおやにこう言いった。

「お母さん。

悲かなしまなくても平気へいきです。

神様かみさまがきっと、救すくってくれますから。

」すると母親ははおやが言いった。

「祭壇さいだんから生贄いけにえをくすねてばかりいるお前まえに、腹はらを立たてていない神様かみさまなどいるのかえ？」６、野生やせいのロバろばとライオンらいおん野生やせいのロバろばとライオンらいおんが、一緒いっしょに狩かりをした。

ライオンらいおんは力ちからで持もって、ロバろばは脚力きゃくりょくでもってそれぞれ狩かりに貢献こうけんした。

そして、大おおきな成果せいかを上あげたので、それぞれの取とり分ぶんを決きめることにした。

ライオンらいおんは獲物えものを三等分さんとうぶんするとこう言いった。

「私わたしは、動物どうぶつの王おうであるが故ゆえに、まず最初さいしょの部分ぶぶんをもらう。

二番目にばんめは、狩かりの報酬ほうしゅうとしてもらう。

さて、三番目さんばんめだが、＾君きみが、これを辞退じたいしないと、大おおいなる災わざわいが降おりかかることになる。

」7、後家とヒツジ大変貧しい後家さんが、ヒツジを一匹かっていた。

彼女は、ヒツジの毛はほしいが毛を刈る費用が惜しかった。

そこで、自分で刈る事にした。

しかし、鋏がうまく扱えなかったので、毛と一緒に肉まで切ってしまった。

ヒツジは痛さのあまり、 のた打ちまわってこう言った。

「ご主人様、 あなたはなぜ、私を、傷つけるのですか？毛が欲しいから、毛刈り職人に頼んでください。

もし、肉が欲しいのなら、肉屋に頼んでください。

苦しまずに殺してくれますから。

」8、タカとトンビとハト（鷹と鳶と鳩）ハトたちは、しょっちゅうトンビに襲おそわれるので、その害がいから逃のがれようと、タカたかに守まもってくれるようにお願ねがいした。

タカたかは快こころよく承知しょうちした。

そこで、ハトはとたちは、タカたかを鳩舎きゅうしゃに入いれたのだが、このとき初はじめて、タカたかがトンビとんびよりも、獰猛どうもうであることに気きがついた。

大勢たいせいの仲間なかまがタカに殺された。

その日一日ひいちにちの被害ひがいは、トンビとんびから受うける被害ひがいの一年分以上いちねんぶんいじょうだった。

9、二匹にびきのイヌある人ひとが、イヌいぬを二匹飼にびきかっていた。

一匹いっぴきは猟犬りょうけんとして訓練くんれんし、一匹いっぴきは家いえの番ばんをするように仕込しこんだ。

男おとこは猟りょうを終おえて家いえに帰かえってくると、いつも番犬ばんけんの方ほうに獲物えものをたくさん与あたえた。

猟犬りょうけんは、憤懣ふんまんやるかたなく、番犬ばんけんを咎とがめだてた。

「お前まえは、猟りょうの手伝てつだいもしないくせに、俺おれの獲物えものを貪むさぼり食くう」すると、番犬ばんけんはこう答こたえた。

［私わたしを非難ひなんするのはお門違かどちがいですよ。

文句もんくを言いうならご主人様しゅじんさまに言いった下くださいな。

だって、ご主人様しゅじんさまは、私わたしに働はたらくことを教おしえずに、他人たにんの上あがりで暮くらすように躾しつけたのですからね。

］10、老婆ろうばとワイン壷つぼ老婆ろうばは地下室ちかしつを片付かたづけていて、空そらのワインわいん壷つぼを見みつけた。

そして匂においを嗅かいでみた。

「ああ、なんて素晴すばらしい匂においなんだろう！この壷つぼに入いっていたワインわいんは、よっぼど上等じょうとうだったに違ちがいない。

だって、こんなに甘あまい香かおりを残のこして行いったのだからね！」美うつくしい思おもい出では、生いき続つづける。

11、漁師りょうしと網あみ腕うでのよい漁師りょうしが上手じょうずに網あみを投とうじて、魚さかなを一網打尽いちもうだじんにした。

そして、熟練じゅくれんした網あみさばきで、大おおきな魚さかなを残のこらず岸壁がんぺきまで曳ひき上あげた。

しかしさしもの漁師りょうしも、小魚こざかなが、網あみの目めをすり抜ぬけるのは如何いかんともし難がたかった。

１2、エチオピア人じん黒人こくじんの奴隷どれいを買かった男おとこが、彼かれの黒くろい肌はだを見みて、前まえの主人しゅじんが怠慢たいまんで、彼かれを洗あらってやらなかったので、汚よごれがこびりついているのだと思おもった。

男おとこは、彼かれを家いえに連つれてくると、ひっきりなしにごしごし洗あらった。

しかし、肌はだの色いろは落おちなかった。

それどころか、彼かれはひどい風かぜを引ひいてしまった。

生うまれつきは変かわらない。

13、雌めすライオンどこの家族かぞくが一番数いちばんかずが多おおいかをめぐって、動物どうぶつたちの間あいだに騒さわぎが持もち上あがりました。

ついに動物どうぶつたちは、雌めすライオンらいおんのところまで押おしかけていきました。

「いったいあなたは何匹子供なんびきこどもを生うみましたか？」と集あつまった動物どうぶつたちは尋たずねました。

「たったいっぴきですよ」と雌めすライオンらいおんは落おち着ついて答こたえました。

「でも、それはライオンの子こです。

」14、水浴びする少年少年が川で水浴びしているうちに、深みにはまってしまいました。

溺れてしまいそうになったとき、そこに見知らぬ男がとおりかかりました。

少年は、この人に助けてもらうしかないと思い、大声で呼びかけました。

すると、男は、むしゃむしゃなことをしてはいけないと説教を始めました。

少年は大声で言い返しました。

「ああ、すぐに助けてください、お願いです。

説教は後にして！」15、ロバとその飼い主ロバとその飼い主が山道を下ろうとしていると、急にロバが無理やり別の方向に行こうとしました。

飼い主の握っている綱を必死で引っ張るのです。

「お前、いったいどうしたんだ？」と飼い主は怒鳴りつけました。

「そっちの方に行ったら、崖から落ちて死んでしまうぞ。

」せっかく飼い主が親切に言っているのに、ロバはあくまでも自分の行きたいほうに行こうとします。

あまりに頑固で、人の意見を聞く耳を持ちません。

飼い主は懸命にロバを引きとめようとしましたが、とうとう抑えきれなくなりました。

ロバは綱を振り切ると、山道を転がり落ち、行方が知れなくなりました。

16、蚤と牛ある時、蚤が牛に聞きました。

「そんなに大きくて力持ちなのに、どうして人間にこき使われて、ひどい仕打ちを受けているんだい？僕はこんなに小さいのに、思う存分人間の血を吸ってるのにさ。

」すると、牛は答えました。

「僕は恩知らずになりたくないんだよ。

だって、僕は人間に愛され、世話を受けているからね。

時々頭や肩をなでてくれるし。

」すると、蚤は言いました。

「僕は不幸だなあ。

だって、僕が人間になでられたら、間違いなく死んでしまうんだもの。

」17、鷹と矢弓の名人が鷹に狙いをつけて、矢を放すと、矢は見事鷹の心臓に突き刺さりました。

死ぬ間際に、鷹が頭をもたげて矢を見ると、なんとその矢には自分の羽がうついているではありませんか。

信じられませんでした。

「ああ、この死は余計に辛い。

」と鷹はつぶやきました。

「何しろ、自分の羽が使われている武器で死ぬんだから。

」18、野生の猪猪が木の幹で牙を研いでいると、そこに狐が通りかかりました。

狐はどうして牙を研いでいるのか不思議に思いました。

「どうしてそんなことをしているんだい？近くに猟師がいるわけでも、猟犬がいるわけでもないし、危険が迫っているようにも見えないけど。